Time's up

□No.19 男として
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『……なに、これ』


「えー?説明しなきゃダメ?あ、もしかして初めて?」


『……………』


ミラを見下ろしながらフフッと笑うエリック


『……こんな事しても何か変わるとは思えないけど』


「それはー僕の実力次第で変わるかも?」


『あり得ない。てか、気持ち悪い。どいて』


「……いいのかな?」


『………?』


エリックはミラの耳元にまで顔を持っていくと小さな声で囁いた


「あまり勝手な事しない方がいいんじゃない?……ナーシーさんとか他の団員達に危害を加えられたくないでしょ?」


『……アンタ……んっ!』


首筋にキスをされ思わず声を出してしまったミラは急いで手で口を押さえた


「へぇー可愛い声も出せるんじゃん」


『…………っ』


「抵抗しなくなったね?これは交渉成立したって事でいいのかな?」


ゆっくりとミラの手をどかしながら…わざとらしく首を傾げると、エリックはそのままミラに唇を重ねたのだった





































「……お嬢様…お嬢様!!あ…!ミカサ!」


「ナーシー、こっちにもいない」


「そんな……何も言わずにいなくなるなんてこと…」


ミラがいない事に気がついたナーシーとミカサは旧本部の中を探し回るが……見つからず


「本部の方にもいなかった……姉さんどこに……」


「バタバタ走り回ってんのは誰だ」


2人の落ち着かない行動に気がついたリヴァイが少し不機嫌そうにやってくる


そしてリヴァイを見て小さく舌打ちするミカサをナーシーは慌てて後ろに隠した


「ナーシー、何かあったのか」


「そ、それが……お嬢様がどこにも……」


「なんだと……!?」


時計をチラッとみるリヴァイ


自分と別れてから1時間経ってはいなかった


「ミカサ!!ナーシーさん!!」


「エレン!!」


「さっき補佐官を見たって言ってた人が……!なんか、ナーシーさんに呼び出されて中心街にあるホテルに向かったとか……」


「私はそんな事を一言も……ま、まさか……っ!?」


途端に真っ青な顔になるナーシーと怒りで鋭い目つきになるミカサ


「い、急いでお嬢様の所へ行かなくては…お嬢様が危ないです!すみませんが外に出かけてきます、リヴァイ兵……あら?」


振り向いた先にはもうリヴァイはおらず


「部屋に戻られたのかしら…」


「違う」


「ミカサ…?」


「姉さんを助けに行ったんだ……私も行かなくては」


姉さんは私が助けるんだ、と呟いたミカサは急いで馬小屋の方へ向かった


「ま、待てよ!ミカサ!」


そして……エレンとナーシーもミカサの後を追っていくのであった





































『……んっ…はっ…!』


「………まさか、本当に初めて?」


『……だったら何』


「更にモチベーション上がった」


『……最低だわ』


……気持ち悪い


生まれて初めてのキスはよくわからない貴族の男に奪われてしまった


『……もう…どーでもいいや』


どうにでもなればいい


もう……





もう…………………












ミラがゆっくり目を閉じ、エリックが団服に手をかけた



その瞬間、










バンッ!!!!!








「エリック様!し、侵入者が…!」


「………チッ。ちょっとさ、空気よんでくれない?ていうかその侵入者を追い払うのは君達の仕事でしょ?」


「そ、それがものすごく強くて…」


「…………まさか」


エリックは少し考え、もう一度舌打ちをすると


「わかった。じゃーそのドア非常用ロックをかけて」


「え!?し、しかしそれをしていまいますと外に完全に出れなく…」


「解除の番号は父親が知ってる。いいから早くやってよ」


「は、はい!!」


ガチャッ………と再びドアが閉まる音


絶好のチャンスを逃したかも


そう思ったミラ。表のドアはロックでもう出れないとしても……窓からなら……


「アレ?今残念、とか思った?」


『……………』


「窓からなら逃げれるかも……?あ、でもそんな事したら君の大切な人達が大変な目にあうから結局何もできないよね!」


廊下から聞こえてくる悲鳴


外で一体誰が何をしているのか全くわからなかったが……









ゲームオーバー











「んじゃ、続きと行きますか」


『どうぞ、お好きなように』





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