Time's up

□No.15 オトウサマ
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『…………お父様…』


「……ミラか!?」


ミラは真っ青な顔のままその男を見ていた


まさか、こんな所で…


会ってしまうなんて…!


「どれだけ心配したと思っているんだ。無事で良かった…ところで何故ここにいるのだ?」


『……それ、は…』


ミラが黙っていると、後ろか聞き覚えのある声


「……どうかなさいましたか?」


後ろにいたのはエルヴィンとリヴァイだった


リヴァイはミラの肩に軽く手を置き、優しい声で囁いた


「立てるか?」


『……大丈夫』


そう言い、ミラはゆっくりと立ち上がる


「はじめまして、というべきかな?私はアンドレス・シャーク。ミラの父親だ」


『!?』


父親、という言葉にビクッと反応するミラ。その様子をリヴァイは見逃さなかった


「……ミラのお父様でしたか…はじめまして、調査兵団団長エルヴィン・スミスです」


「ええ、10年前に娘は行方不明になりましてね…まさか調査兵団にいたとは」


「今娘様は調査兵団の兵士長補佐として立派になられております」


エルヴィンとアンドレスが話している中、ミラは未だに顔を真っ青にしながら俯いていた


「……しかし本当に見つかって良かった。さぁミラ、私と家へ帰るぞ」


私と家へ帰るぞ


私とあの鳥かごの中へ戻るぞ


『……嫌…』


アンドレスがミラの腕を掴んだ瞬間、ミラがそれを思いっきり振り払った


「…どうしたんだ?ミラ」


『帰らない…私は絶対に、帰らない』


ギュッとリヴァイの袖を掴むミラ


「そんな事を言ってもだな……」


「ミラ、まだ終わっていない仕事があったとか言っていたな?今日はもういいよ。リヴァイ、彼女と一緒に先に本部へ帰っていてくれないか?」


「あぁ、わかった」


「シャーク様、お話があるので少し場所をかえませんか?」


アンドレスは少し困った顔をしたが、


「わかりました。ではあちらの方で……」


そう言い、エルヴィンと共にその場を後にしようとした…


が、


「そうだ……ミラ、ナーシーを知らないか?彼女もお前と同じく急に消えてしまってね」


『!?!?』


ナーシーの名前にエルヴィンとリヴァイも反応する


『それは……』


「ミラ、行くぞ」


ミラの手を握りしめ、リヴァイは急いでその場を後にした


ミラは軽くパニックを起こしていたのか、相変わらず真っ青な顔のままずっと黙ったままであった





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