Time's up

□No.10 その日は突然やってきた
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「…………」


『………………』


「そんな顔をしてもダメですからねー」


『………ナーシー、嬉しそうね』


「そりゃーお嬢様を壁外にお連れしなくて済みましたから!」


『…………こんなの別に屁でもないし』


「ダメダメダメですからね!エルヴィン分隊長にも言っちゃいましたから!」


『………そーいう事だけは早いんだから…』


ニコニコ顏のナーシーを横目で見ながらミラはベッドの上でふてくされていた


今日はミラの初の壁外調査。巨人とはどんな物か少しワクワクしていたミラにとって今の状況は苦でしかなかった


『なんで熱なんて出しちゃったかな…』


正直、身体はそこまで怠くはない。少し熱いかな、くらいだった


「では私はそろそろ行かなくてはならないので…」


『うん、ありがとう。行ってらっしゃい』


「はい!」


ナーシーが荷物をまとめ部屋のドアへ向かって行った所でミラはナーシーの名前を呼び一言、言った









『死なないで』











「………っ!はい!」


少し目をウルっとさせたナーシーは「すぐに戻りますからね!」と言うとそのまま部屋から出て行ってしまった


『………はぁ…暇、かも…』


窓の外を見つめながらミラはため息を一つするのであった

















「そうか…それは残念だ。無理に連れて行く訳にはいかないからな…次回同行してもらおう」


「はい!」


実はエルヴィンに言ってなかったナーシー


「ええーっ!?ミラいないの!?ちぇーっつまんなぁーい!!」


「そう拗ねないで下さい、ハンジさん。次回はきっと一緒に行けますよ(本当はイヤですけど…)」


「まぁ仕方が無いか…リヴァイも残念だったねー?」


「……は?何がだ」


少し不機嫌そうに答えるリヴァイにハンジは満面の笑みで


「だって、今日ミラはリヴァイと同じ班に配属されていたんしゃなかったっけ?」


「……………」


「そんな気を落とすなよぅ!」


「巨人の前にお前のうなじを掻っ捌いてやろうか…?」


サッとブレードに触れたリヴァイを見てハンジも冗談冗談!と手を必死に横に振った


「では…お嬢様、行って来ますね!」


こうして壁外へ出発していった調査兵団






これから何が起こるかも知らずに………























『……なんだろ…騒がしい…?』


外の異変に気がついたミラはゆっくりとベッドから降り、窓の外を見つめた


『あれは…憲兵団、か…』


少し胸騒ぎがしたミラは部屋を出て誰かに聞こうと思った。しかし調査兵団は今壁外に行っている為誰もおらず…


身なりを少し整えてから外にいる憲兵に聞く事にした


『ねぇ、ちょっと』


「あぁ!?なんだお前は!今それどころじゃ…」


『何があったのか教えて』


「は、はぁ?なんでお前に……」


『早く』


ミラから少しずつ出ていた殺気に憲兵も怯んだのか、あっさりと教えてくれた


しかし…


「巨人だよ!巨人が…壁をぶっ壊して壁内に入って来たんだよ!!」


その憲兵から発せられた言葉は


『なん…ですって……?』


















ミラの頭の中を真っ白にさせた






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