Time's up
□No.7 貴方の身体を掻っ捌いてでも吐き出してもらうから
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「私、守りますから」
『…は?』
「お嬢様を…全力で守りますから」
ミラをギュッと抱きしめるナーシー。その腕は微かに震えていた
『ナーシー……』
ありがとう…
そう言ってミラも優しく抱きしめ返した
『あともう一つあるんだけど』
ゆっくりと離れたミラはまた質問をした
『…アッカーマン、については?』
「…………」
軽く首を横に振るナーシー
そっか…とミラが視線を反らすと
「ただ………」
『……ただ?』
「アッカーマン、というのは人名…ファミリーネームかファーストネームだと思うのです。あの時、旦那様との会話でアッカーマンから連れてきた、と言っていました」
『…………』
ミラもだいたいは覚えていた。ただ、当時はまだ10歳だった事もあり会話の内容を全て理解できてはいなかった
「アッカーマン、という名前の場所は調べてみましたがありませんし……そうなると…」
『名前の可能性が高い…という事ね…』
ナーシーは静かに頷いた
「人名となると……探し出すのはかなりキツイかと…少なくとも兵団の中にはいませんでした」
『そう…ありがとう、ナーシー』
人名、か……
もしかしたら…もしかしたら…
自分の本当の家族の名前か…
自分の本当の…ファミリーネームか…
『まだまだ先は長い…ね』
たとえ10年、20年経ったとしても…必ず突き止める
「お嬢様、私もお手伝いしますから!」
『うん、頼む』
ミラは小さく微笑んだ
シャーク
私はもう貴方の元へは戻らない。私はもう、シャークの名前を捨てたただのミラ
もう貴方の言う事をヘコヘコ聞いていたあの頃の私じゃない
貴方と関わるのはもう御免だけど…
どんなに探してもアッカーマンの正体が見つからなかったその時は
貴方の身体を掻っ捌いてでも吐き出してもらうから…
ーーー覚悟して……
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