Time's up
□No.3 あれから4年…いや、5年経った
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あれから私は生きる事に必死だった
何としてでも生きる
生きて必ずナーシーと再会する
ーーーーその為なら、何だってする
食料は街の出店から盗んだ
衣類はそこら辺で捨てられていた服を拾っては着る
変な大人に絡まれそうになったらとりあえず全速力で走る
ただそれだけじゃダメだと思った私は、自分の身を守る為に体術も身につけた
昔、ナーシーが護身用にと見せてくれた技を自分なりにアレンジし、自分だけの技を磨いた
そのおかげで今じゃ地下街で有名な立派なゴロツキにまで成長した
『……今日も見つからなかったな…』
そして毎日欠かさずに行っている事は…ナーシーを捜す事
もしかしたら自分を捜しているかもしれない、そう思いながら毎日辺りを見回す
だがあまり街に長居するのは禁物だ………シャークの人間が私を捜しているかもしれないから
『ナーシー…家、出れたかな…』
少し心配だった
私を家から逃がした事が父にバレて何か酷い目にあってはいないか、と
そんな事を考えながら毎日生きてきた
それと忘れてはいけない大事な言葉「アッカーマン」
未だにこの言葉の意味はわからないが、これについても街に行った時に探っている
が、何一つわからないままだ
『暇だな……』
今の私の姿を見たらきっとナーシービックリするだろうな…
自分でもわかっていた
自分はきっとココで生活するにつれて性格が変わっていった、と
けして良い方では無い
感情を表に出さなくなったし、家を出たあの日から笑っていないし…そもそもどうやって笑うのか、忘れてしまった
人が皆醜く見えて仕方が無い。汚い、うるさい、ウザイ……
『また街に行こうかな……暇だし』
ゆっくりと立ち上がったその時、
自分の方へ向かって来る複数の足音が微かに聞こえてきた
『………今度は何よ』
いつでも動けるように大勢に入る
「なるほど…なかなか威勢の良いお嬢さんだ」
そこに現れたのは複数の部下を連れて緑のマントを羽織った
「こんにちは。君が…最近巷を騒がせているお嬢さんかな?」
アイスブルーの瞳を持った
金髪の男だった
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