Time's up
□No.3 あれから4年…いや、5年経った
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朝日なんて入ってこない暗い場所で……ミラは目を覚ました
ゆっくり起き上がると今自分が来ていたシャツを脱ぎ捨て、新しい物に着替える
シャツの裾を巻く仕上げ、ゴムで縛るといつもの様に食べ物を求めて地下街から街に行く
『……今日も相変わらず騒がしいな…』
そして適当に出店の果物やパンなどを盗んではまた地下街へ戻る
毎日これの繰り返し
『今日はあまり良くないな…つかこのパン、マズそ……失敗した』
匂いを嗅いでミラはため息をつくと、急に目の前が何者かの影で暗くなった
「おい、ミラ」
『………邪魔』
「お前…昨日よくもやってくれたな…俺の仲間に!」
昨日?あぁ…私に一発ヤらせろとかほざいていたウジ虫か、とミラは頭の中で思い出しては
『………邪魔』
とただ一言吐き捨てるだけ
「生きて帰れると思うなよ、クソガキがぁ!!」
血走った目をしたその男は手を振り上げてミラを殴ろうとする
しかし……ミラはため息をつくとそれを華麗に避け
『邪魔だって言ってんだろ。この豚が』
ミラがそう小さく呟いた次の瞬間には…相手の横腹に一発蹴りをくらわせていた
ドカッという音を立てて男は壁に激突し、気を失う
『……ふん』
冷めたような目でその男を一瞬見るとそのまま自分が帰るべき場所に戻る
『……やっぱマズイ』
盗んだパンを一気に口の中へ押し込むと、ミラは元来た道を振り返った
あれから4年、いや5年…経った
ーーーーあの時の少女は15歳になっていた
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