ハチミツどろっぷす

□5.不良少女とマネージャー
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『イッタ!ちょっと気安く触んな!!』


男に掴まれたまま近くの公園に引きづられていく凛


………これはヤバイ


不良少女とか言ってもただのフリだからね、こんなの。こんな格好してますけど、本当はもっと大人しい子なんですよ?私


「お嬢ちゃん、見た感じ…高校生かな?」


『うっさい!』


「さて…どうしようか。ぶつかった謝礼として何をしてもらおうかな」


『だーから!そっちがぶつかって………ひっ!』


制服のスカートを掴まれる


途端に凛の顔は真っ青になった


『ま、待って私!』


あぁ…これ終わった……


アイドルとして…女として私終わったわ……


そう凛が思った瞬間に聞き覚えのある叫び声が公園に響き渡った


「オイゴラッ!テメェらその女に何してやがんだ!!!」


『ーーーっ!!』


凛が顔を上げるとこちらに全速力で走ってくる…


『み、宮地せんぱ……!?』


「な、なんだあの男!!すげー勢いでこっち向かってくるぞ!」


「テメェらさっさとその女から離れろ!!殺すぞ!!!」


「「「は、はいいいいいい!!!」」」


物騒な言葉を並べながら鬼の形相で走ってくる宮地に恐怖を覚えたのか、その男達は一目散に逃げて行った


「はぁ…はぁ……ったく」


『あの……先輩…』


「あぁ?お前も何してんだよ。とっくに帰ってると思ったらこんな所でチンピラ遊びか?あ?」


『勝手に絡まれただけだし』


「おーい、助けてもらっといて可愛くねーやつだな」


宮地がはぁ…とため息をついたのと同時に「宮地さぁーん!凛ちゃーん!」と走ってくる男


『高尾!それと…緑間…だっけ?』


大坪や木村など……おなじみのバスケ部メンバーがゾロゾロとやって来たのだった


「凛ちゃん危なかったね?俺が気がついてなかったらアウトだったよ」


『高尾が?』


高尾はニヤッと笑いながら指で自分の目を軽く叩いた


「それはそうと…どうしてまだこんな所に?」


『書類を先生に出してたら…こんな時間に』


「書類?」


『まぁ……色々』


内容は言えない、とボソッとつぶやく凛に周りも「そうか」とアッサリと納得した


「んじゃ、とりあえず帰りますか」


宮地の言葉にみんな頷き、ゆっくりと公園を後にしたのだった




















「お前ってそんなナリしてるけど、なんやかんや女の子なんだな」


『は……?』


宮地の言葉にムッとする凛


『私が弱いって事?何それ意味わかんない』


「実際やられそーになってただろーが」


『それは……』


「…………」


ガシガシッと凛の頭を撫でる宮地


「ったく、いつまで意地はってんだ。ピンチの時は素直に助けて下さいでいいんだよバカ」


『………』


……本当、先輩ってなんやかんや優しいよな…


少し宮地の優しさに顔を赤くするのと同時に


……てか、今のでウィッグズレてない!?へーき?へーきだよね!?


と、少し頭の心配をする凛でした……







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