橙色の彼女
□第10話 「へぇー!俺は青峰大輝。よろしくな!」
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季節は春
『あ!涼ちゃん遅いよ!早く早く!』
帝光中学校
「栞が早すぎるんすよー…」
橙川栞
中学一年生
『まさか涼ちゃんと同じクラスになれるなんてねー!』
「またまた中学もよろしくっす!」
『ねぇ、涼ちゃんは部活どうするの?やっぱ運動部?』
「あぁー…部活ねぇ…」
ありゃー…あまり興味無さそうな顔
涼ちゃんは昔からなんでも出来ちゃう。人のやっている事をそのまま真似る事が出来るみたい。
「部活は入らないと思うっす。何をやっても出来ちゃうんすから、やってもつまらないだけっすよ。」
『はぁ……それ、あまり人前で言っちゃダメだからね…』
私はため息をつくと、さっき入り口で配っていた部活の紹介をされた大量の紙を机の上にバラまいた。
「うわぁー…すごい量っすね…」
『とりあえず渡された物は全て受け取ったからね。さ、て、と…』
文芸学部…アニメーション部…写真部…吹奏楽部…
ここらへんはいいっか
なんか私に合わないし
あとは運動部ね…
バレーボール部…テニス部………
『バスケットボール部……』
「え?バスケ?あぁーそういえば、栞はバスケ結構上手かったっすよね?女子バスケ部にでも入ったらどうっすか?栞にピッタリっす!」
『…………いや、入らない。』
「…え!?」
確かにバスケをするのも楽しいけど…
ちょっと新しい事にも挑戦してみたいんだよねー!
『私は男子バスケ部のマネージャーをやる!!』
「私桃井さつき!これから一緒に頑張ろうね!!」
『私は橙川栞。よろしくね、さつきちゃん。』
「栞ちゃんかぁ……あ!じゃーしーちゃんって呼んでも良い?」
『うん、良いよ!じゃー私はさっちゃんって呼ぶね!』
部活初日
マネージャーの子は何人かいたけど、真っ先に私に話しかけてくれたのは…さっちゃんだった。
「おい、さつき!帰るぞ!」
さっちゃんを呼ぶ男の人
私は声が聞こえた方へ体を向けた
「大ちゃん!あれ?練習とかは?」
「いや、初日は挨拶だけだとよ。今度実力テストみてぇのがあるらしくてよ。」
青髪に肌は褐色
体は結構ガッチリしていて、バスケがそれなりに出来る事がすぐにわかった
「へぇー…まぁ勉強じゃなくてバスケの試験なら大丈夫じゃない?」
「余計なお世話だ………ん?そいつは?」
「同じマネージャーの子だよ!」
「へぇー!俺は青峰大輝。よろしくな!」
それが彼と初めて出会った時の事だ