橙色の彼女
□第3話 あいつは…アメリカに行ったはずだろ?復活?戻って来たって事か?
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「栞ー迎えに来たっすよー!」
『おはよう、涼ちゃん!』
「おはようっす。おー!制服似合ってるっすよ。」
『ありがとう!』
私は今日初登校だ。
海常高校。
今日からお世話になる高校だ。
今私は自分の家に1人で住んでいる。
前に言ったように、
両親は今海外だからだ。
家が近いから涼ちゃんは迎えに来てくれたようだ。
『そう言えば、涼ちゃん。次の撮影日決まったの?』
「あぁ!その事で…なんと次の雑誌の表紙は俺と栞に決まったっすよ!」
『え!?私と涼ちゃん!?』
「しかも俺と栞のインタビュー記事や写真などなどで20ページもらえちゃうみたいっす!」
『ウソ…ビックリだわ…』
「それだけ栞がアメリカに行ってしまったのはショックだったんすよ。これは“モデル 橙川栞 復活記念!”って事っす。」
『これは…頑張らなきゃだね…』
放課後。
栞は男子バスケ部のマネージャーになったため、挨拶に行った。
「集合ー!!」
キャプテンの掛け声で部員達は集まる。
「今日からウチの部にマネージャーが入った。じゃ自己紹介よろしくな。」
『はい。橙川栞です。中学は帝光でバスケ部のマネージャーをしていました。途中でアメリカに行って帰ってきました。皆さんのサポートを全力でするのでよろしくお願いします!』
拍手があがり部員達はテンションが上がった。
今までいなかった女マネだからだ。
「はい!練習戻った戻った!次、レギュラーだけ集まってくれ!」
他の部員は渋々退散しレギュラーが集まった。
「とりあえずレギュラーの名前だけでも今覚えくれ。」
『はい!』
「まず、俺はキャプテンの笠松幸男だ。まぁよろしくな。」
「早川充洋だ!よ(ろ)しくな!」
『は、はい?』
ラ行が…言えてないです。
「俺は森山由孝だ。森山由孝だ。」
「え?何で二回言ったんすか?」
「何故かって…?決まってるじゃないか!栞ちゃんにバッチリ覚えてもらうためだよ!」
「はい?」
「はぁ…また始まったよ…」
ため息をつく笠松。
「栞ちゃん…俺は君のその瞳に惚れたよ。何故かとても運命を感じる…良かったら俺とグハァッ!」
「はいはい、そこまでな。」
端っこでうずくまっている森山。
「そんで、あいつが小堀。」
頭を下げる小堀。
「以上だ。宜しくな。」
『はい!こちらこそ宜しくお…』
「まだ俺が喋ってないっす!」
「はぁ?お前必要ないだろ。」
「栞ちゃんと幼なじみとか羨ましすぎる…」
『涼ちゃんの紹介はいらないよ…知ってるし…』
ガクッと黄瀬はうなだれた。
すると向こうから監督がやって来た。
「あ、監督!」
「おう。君か?新しく入ったマネージャーというのは。」
『はい!橙川栞と言います。宜しくお願いします!』
「監督の武内だ。これから色々頼むぞ。」
『はい!』
「それと今週、誠凛と練習試合する事になった。まぁ軽い調整だ。」
「わかりました。」
「誠凛って…確か黒子っちが行った所っすよ!」
『テッちゃんが?』
「楽しみっすねー!」
「あ、そうだ。橙川、悪いんだがその日は佐々岡高校の偵察に行ってもらえないか?そこも練習試合らしいからな。」
『あ…はい!わかりました。』
そう言うと監督は他の選手の練習を見に行った。
時計を見た。
『涼ちゃん!時間!』
「うわっ!ヤバイっす!」
「何だ。どうした?」
「すみません、笠松先輩。俺と栞、これから撮影の打ち合わせなんすよ。」
「モデルの仕事か…って!栞!お前もモデルなのか!?」
『は、はい。』
「先輩知らないんすか?人気モデルっすよ?」
「あ!思い出した!最近見ないなって思ってたけど、あのモデルの栞ちゃん!?…何という事だ…あの栞ちゃんが…ファンです!!」
ガシッと森山は栞の手を握った。
『ありがとうございます…』
「森山先輩!急いでるんす!後にして下さいっす!」
そう言うと黄瀬と栞は走って行った。
「栞ちゃあああん!!」
『うわぁ!』
スタッフの人達に抱きつかれて栞は戸惑った。
「栞ちゃんが急にアメリカ行っちゃうから本当に困ったんだよ!ちょうど次の雑誌の表紙は栞ちゃんねーって決まった後に!」
「でも本当に良かった!寂しかったんですからね?」
『すみません…何か色々…』
「まぁ次の復活記念特集を頑張ってもらえたら許してあげるーなんて。よし!さっそく打ち合わせするよ!黄瀬君も!」
「あ、ちゃんと俺忘れられて無かったっすね…」
『宜しくお願いします!』