ハチミツどろっぷす

□10.ドルオタ男子と嫉妬…?
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「はぁーい、じゃあ誠凛はご飯食べた後先に風呂ね。後に秀徳の皆さんが控えてるからちゃっちゃと入ること。良いわね!?」


「「「「「ウッス!!」」」」」


「というわけで先に誠凛が入る。その後3年から順番に入れ。時間は15分交代だ」


「「「「「「ウッス!」」」」」」


それぞれの監督の指示に夕飯を食べ終わった選手から慌ただしく動き出した


『あの……リコさん。すみません、私達までご飯一緒に…』←リコにはちゃんと敬語


「いいのよ!気にしないで!」


「リコさんも疲れてますよね?お礼に食器洗いは私達がやるのでゆっくり明日に向けて休んでください!」


咲がリコの手をガシッと掴みながらうんうん、と頷いた


蘭はすでに腕まくりを始めていた


「……じゃー頼んじゃおっかな!ごめん、よろしく頼むね」


『「「はい!!」」』


リコはニコッと笑うと選手達と共に食堂を後にしたのだった


そして……


食堂にはDropSの3人だけに


「よっしゃ!んじゃーやりますか!」


「そうね、私たちも明日朝早いしね」


DropSの夏休みもココまで


明日は急いで戻って仕事の打ち合わせがあった


『あのさ、2人共』


「「ん?」」


『食器洗い、私1人でやるわ!』


「「へ??」」

突然の言葉に目を丸くする咲と蘭


「待って凛?どういう…」


『私達明日も朝早いでしょ?なのにまだ準備できてないし……だから2人は先にお風呂も入ってそっちの準備をしててくれないかしら?』


「でも……この量……」


蘭がチラッと横目で見る食器の山


1人でできる量でもない気がする…と心配そうな顔で凛を見つめた


『大丈夫大丈夫!ここはリーダー様に任せなさいって!』


ニコッと笑う凛に2人は顔を見合わせると「わかった!」と頷いて食堂を出て行った


『……さぁてと』


グッと腕まくりをして気合いを入れる


『お片づけと行きますか!』

























「…………はぁ…全くうるせぇな…ちょっとは休ませろよバカ社長…お?」


長い電話を終えた彰はため息と共に食堂の横を通ると……そこで目に入ったのは必死に食器洗いをしている凛の姿


「1人?なんかの罰ゲームか?いや……咲と蘭はコイツにそんな事押し付けたりしねぇか」


どーせ1人でやるとか言って引き受けたのか、バカな奴


彰が小さく笑うと……向こうからやってくる人の気配


「あれは……」


風呂から上がったばかりなのか


濡れた頭をタオルで拭きながら歩いてくる……


「蜂蜜ボーイか」


彰は少し考えるとニヤッと笑い、そして


「ヨッ!なんだ?罰ゲームまだ続いてたのか?」


『なっ!彰!?』


食堂の中へ入って行った
























「喉乾いたなぁ…」


ちょうどその時、宮地は飲み物を求めに食堂へ向かっていた


そして……今日の出来事を思い出しては「ふふふっ」と、笑う


「すっげぇ楽しかったな……スイカ割りで目が回ってた凛も面白かった…」


たまたま合宿先で会った凛


また1つ……意外なアイツの姿を今日見れた気がする


「……って、俺何アイツの事考えてんだ。明日からまた練習なんだから引き締めねーと」


顔を軽く叩く宮地


しかし……そんな宮地の耳にふと聞こえてきた……食堂からの声


『はぁ!?い、いいって!気持ち悪いんだよ!』


「気持ち悪いってなんだよ!手伝ってやるってせっかく俺が言ってるのにそれをテメェは…」


『だって普段人を見下し、バカにする事しか脳のないアンタが手伝うだなんて!何が目的よ!何が望みよ!』


「ったくうっせぇーな。ほら、スポンジ1つ寄越せって」


『……うぅ…』


そっと食堂を覗くとそこにいたのは凛と凛と一緒にここに来ていた男……彰がいた










「…………………」


なんだこれ……
















「凛」


『ん?何……』


「動くな」


『へ?』


そっと凛の鼻に触れる彰。突然の行動に少し顔を赤くする凛


「泡、ついてっぞー。バカ丸出し」


『え、あっ、うぅ……ありがと』



















「…………………っ」


モヤッ


「……………………………っ」


彰の前で自然な笑みを浮かべる凛


宮地の心はグチャグチャにかき乱されていた


「なんなんだよ…………コレ…」





結局、


自分の中にあるモヤがわからないまま……宮地はその場を黙って去って行った


「…………クソッ…」















「………………」


『彰?』


「………………存分に嫉妬したまえ青少年」


『はぁ??いきなり何、頭大丈夫?』







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