ハチミツどろっぷす

□1.秀徳高校の不良少女
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「お疲れっしたー!」


「1年、片付けしておけよ!」


「「「はい!!」」」


そんな秀徳高校には三大王者の一角、「東の王者」と呼ばれる部活があった


「おい、宮地!!」


「んあ?」


秀徳高校バスケットボール部


そのバスケ部の部室内で主将である大坪が同じレギュラーメンバーである宮地を呼び止めていた


「おうどーした?」


「こないだ借りたDVDありがとな」


「おお!これか!!」


渡されたDVDを見ると途端に目を輝かせた宮地に大坪は小さく笑った


「なんだ、お前もアイドル好きなのか?」


そう大坪に聞いたのは木村


この3人は同級生であり、木村も同様にレギュラーメンバーであった


「あぁ、宮地には負けるがな」


「まぁアレはな。勝てねぇよ」


「オイオイオイ!なんか引いてる?」


「「いや、ある意味尊敬してる」」


手を横に振る2人に宮地は一瞬キッと睨みつけるが、DVDが目に入った瞬間また目を輝かせた


「やっぱ時代はみゆみゆだよな!もうこの子以外俺は考えられねぇ」


「「お、おう」」


見ての通り宮地はドルオタである


成績優秀。ルックスも良く、バスケットも上手い


そんな見るからに完璧な男もアイドルには勝てなかったようだ


「お疲れさまです」


「お疲れさまでーす。あ、宮地さんそれ!!」


後片付けを終えた1年生の1人…黒髪の男が宮地の持っていたソレに目がいった


「それ、こないだのライブDVDじゃないっすかー!俺も見たっすよ」


「お、見たのか!やっぱりみゆみゆだよな」


宮地のこの言葉に黒髪の男…高尾は少しうーん…と唸り


「みゆみゆも可愛いと思いますけどー……やっぱ俺の推しメンには勝てないっすね」


「はぁ?」


少し不機嫌そうに高尾を見る宮地。そんな高尾は同じ1年の緑髪の男…緑間に「真ちゃーん!DVD!」


そう言って側に駆け寄った


「ほら、受け取れ」


「あはは、俺が貸してあげたのになんか上からだな!真ちゃん」


それを今度は宮地の元へ持って行き


「これ今俺が一番熱いグループなんすけど…ほら、この子とかこの子とか……めっちゃ可愛いくないっすか!?」


「……………」


ジーっとDVDのパッケージを見つめたままの宮地


「これ最近出てきたグループで“DropS”って言うんすよ。可愛いし歌も上手くてキャラも面白くってマジ宮地さんにオススメしたいっすね」


「………借りる」


「おお!!どーぞ!どーぞ!」


「まぁ、俺はみゆみゆ一本だし。暇つぶし程度で見てやる」


そう言って宮地はDVDを鞄の中へ放り込んだ







「……………」


どーせ暇つぶしだから、うん













(そーいや、緑間。お前もまさかアイドルが…)


(あれはただ昨日のラッキーアイテムがアイドルのDVDだったので高尾に借りただけです)


((だ、だよなー!!))





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