橙色の彼女

□第27話 「好きだ」
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『今日はありがとう』


「いや、俺の方こそありがとう。話して貰っちまって…」


『ゴメンね、つまんなかったよね?』


辺りはすっかり真っ暗になっていた。大ちゃんに話したおかげでなんだか心なしかスッキリしたようだ


「いや……色々謎が解けたし…」


『…そっか』


もうここで良いよ、と言って立ち止まる。ここから先は別に一人でも大丈夫だ


「栞」


『ん?』


「まだ青峰が好きか?」


『……………どうだろね』


「……………」


ふいっと火神から目を反らす


「栞」


『ん?どうし……』


次の瞬間、栞は目を見開いた


久しぶりに感じた…唇への感触。火神の優しさが伝わってくるような…甘いキス


「ゴメン…栞」


『………大ちゃん』


「好きだ。栞が…好きだ」


『………っ!』


前にも付き合って欲しいと言われた事があったが、改めて好きと言われると……栞は少し顔を赤くしながら下を向いた


『…あの…大ちゃん…その…私……』


「わかってる。つか今キスしてはっきりわかった……やっぱ青峰には勝てねぇな…」


『え……?』


「頑張れよ、栞」


ニカッと笑った火神はそのまま来た道を引き返して行ってしまった











『…………ゴメン…』







何に対して謝っているのか


自分でもよくわからなかった


でも





大ちゃんの気持ちに応えられないことだけは何故かはっきりわかっていた









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