黒バス-short-
□塩分補給
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――ペロッ。
部活の休憩中。
火神くんが急に首筋を舐めてきた。
「ひゃう!?」
思わずそんな声が出てしまう。
その原因を作った本人はと言うと、
「他の人の前で可愛い声出すの禁止だろ?」
そう言ってプニッと頬をつついてきた。
その言葉に僕は反論をする。
「火神くんが急に首筋を舐めてくるからです。」
ムゥーと膨れるとわりぃわりぃと髪の毛を撫でてくる。
「それで、何で急に舐めてきたんですか? 」
「ん〜? 強いて言うなら塩分不足だから黒子の汗で塩分補給。」
「はぁ……皆さんの前でやるのは止めてください。」
実際に声に出して止めようとはしないがキャプテンも他の二年生の先輩も同級生の降旗くんとかも冷ややかな目でこちらを見ている。
それなのに火神くんは全くをもってその目を気にする気配はない。
「全く……塩分補給ならこれをどうぞ。」
「……なんだこれ?」
「塩飴です。」
「へー。」
「それ、かなり美味しいのでオススメなんです。」
――コロン。
包みを開けて火神くんの口に入れる。
「あっ、結構うまいな。」
「でしょう。塩バニラ味なんですよ。」
黒子らしいな。と火神くんが笑う。
そうして不思議そうに僕の方を見て言った。
「お前は食べないのか?」
「えっ?」
「飴だよ。飴。」
「あぁ、一つしか持ってきてないので。」
「ふーん。」
そう言うと火神くんはニヤリと笑った。
そして僕の口にキスをしてきた。
「んっ……あふっ……んう〜……」
舌を絡められる。
飴が僕の舌と火神くんの舌を行ったり来たりする。
……いつもより甘く感じる。
キスも飴も。
体も蕩けてしまいそうな優しくて甘い甘い時間。
漸くそこから解放されると僕は熱くなった顔で火神くんに詰め寄った。
「なんであんなことしたんですか?」
「なんでって決まってんだろ。」
「と、言うと?」
「飴が一つしかないなら二人で共有すればいいだろ。だから共有しただけ。」
「だからって……」
――キスする必要はないでしょう。
そう言おうとすると口を人差し指で塞がれた。
「まぁ、共有するのは黒子限定だから。」
更に顔が熱くなった。
(イチャイチャしやがって羨まし……じゃなくてけしからん!!)
(日向……本音出かけてたよ……)
(……まぁ、仲いいことは悪くはないが……)
((((休憩中までイチャイチャするなよっ!!))))
今日も誠凛は平和です。