黒バス-short-

□勿忘草
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「貴方は誰ですか?」

「……はぁっ?」

『心因性の逆向性健忘』これが黒子の病名らしい。

簡単に言えばストレスによる記憶喪失だ。

治るか治らないかはわからないらしい。

数日で治ることもあれば数年かかってようやく治ることもある。

だが、最悪は一生治らないらしい。

ショックだった。

だがもっとショックだったのは……

「青峰たちにも伝えないとな……」

「あの、青峰くんたちを知ってるんですか?」

「えっ?…………お前今いくつだ?」

「中2です。帝光中学の2年です。」

今いくつだ?……その言葉で何時までの記憶があるかを聞いた。

彼は中学2年だと答えた。

つまりは、欠乏した記憶が中学の終わりから高校の記憶だったことだ。

いっそのこと、全てを忘れていて欲しかった。

何であいつら……キセキの世代のことは覚えているんだよ?

何で……俺のことは忘れてしまっているのに。

無性に悔しかった。

涙すら出ないほどに。

なぁ……お前が言ったよな?

影は光とがあるから濃くなると。

そして、その黒さが光を際立てると。

影は光と共にしか生きていけないと。

だけどなそれは俺も同じだ。

俺は影がないと生きていけない。

一人で輝けないんだ。

俺は……

だから、思い出してくれ……


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シリアス気味ですね。

続編は書けたら書きます。

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