捧げ物
□今はそれだけでいい
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「もしさこの世界に僕と火神くんしかいなかったらな……って思うんです……。」
一緒に雨宿りしている時、黒子が俯きがちに言った。
「急にどうした?」
「だって、もしこの世界に君と僕しかいなかったら……僕が君を愛してることも君が僕を愛してることもすべて認めない人がいなくなりますから……。」
雨のせいで空は暗く重く……
それはまるで俺とお前の心の中のようで……
「ねぇ……火神くん。僕が君をを愛してることも君が僕を愛してることもおかしいことなのでしょうか……一緒にいていいのでしょうか……」
稲光が一面を照らす。
雷鳴が鳴り響く。
「おかしくねぇよ。」
「でも……ならどうして皆さんの前で君とキスできないのですか?……好きって言えないのですか?」
そう言って黒子は今にも泣き出しそうな顔になる。
……俺が見たい顔はそんな顔じゃねぇのに。
「ねぇ、火神くん。どうして……?」
「さぁな。でもいま俺たちは愛し合っている。それだけで十分だろ?」
「でも、不安なんです。火神くんと……」
俺はその言葉を遮るようにキスをした。
濃密な濃密なキスを。
「なにも言うな。俺はずっと一緒にいる。それで十分だろ?」
「……はい。」
空はまだまだ暗い。
けど、俺にはさっきより少しだけ明るくなったような気がした。
黒子がまだ少し悲しそうな顔をしてたから俺はもう一度キスをした。
このまま消えてしまいたい。
そう思ったのは俺だけだったのだろうか?
いや、きっと黒子もだろう。
「愛してますよ。火神くん。」
「俺もだ。黒子。」
俺たちには未来はないかもしれない。
だけど今確かに愛し合っている。
雨はまだやまない。
君はまだ不安なのかもしれない。
でも、今はいい。
愛してることを伝えられるから。
それだけでいい。
今はまだそれだけでいい。
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ろろみ様へ
書き直し受け付けますよ
拙くてすみません