心頭滅却 BOOK

□03
3ページ/4ページ


剣道切り上げて帰ったのだが、やることがない。

途中というか、今ゲームセンターにいるんだが、このお菓子がとれない。

こわれてる、このゲーム機。


「でさー、あいつがむかつくんだよー。ふざけすぎだろーって感じで死ねばいいのに」


それはお前だろお…。

その人は隣にいる意味不明なかっこうをした人と話していた。

本当に意味不明なかっこうだ。
その口につけてる黒い布なに?


よく分からなかったけど反論してみた。
暇すぎて。


「あだっ」


……なに見事にぶつかっちゃってんの?


「ご、ごめんなさい!」
「いったー…。前ぐらいみて歩け!」


いや、確かにさ、今ぶつかった人は前見てなかったよ。
でもさ、あれどう見ても小学生じゃん。
マジ切れしなくても…。
その子らのせいでついたアイスの汚れは仕方ないってことですませればいいのに…。


「この服ね…、姉さんがくれたんだ…。5,6万ほどの…」


そのくるくる頭がゆう5、6万ほどした服は黒白のボーダーで、おしゃれといってよかった。

だけど、その似合わなさ半端ない。

お化けみたい。


「「ごめんなさいっ!!」」


二人同時に頭をさげる小学生。

それを一瞥すると、くるくる頭は眉間にしわをよせた。


「それなら、同じの買って弁償してよー」


無駄なことをよく言った。


「え…」
「無理です…」


ほら、反応に困ってる。


「どうして?お前らの責任はお前らのせいでしょ?責任取るのが普通でしょ?」


攻め立てるようにいうくるくる頭。
もう小学生二人は泣きそうな状態になっていた。
無理もない。
くるくる頭はどっからみても悪魔だし、お隣さん超意味不だし。


「これで脅して、お前らのこと犯罪者にしてもいーんだよ?」
「無理だろ…」
「…なんか言った?」
「…」
「ねぇ」
「…」
「そこのブスだよ!」
「…」
「……」
「…」
「……」
「…」
「……そこのブスで気づかないの?」
「…」


あー、なんだろ。この感覚。
自分がめっちゃ言われてる気しかしない。

ゲームセンターのユーホーキャッチャーに両替した100円玉をいれた。


「だからブスは嫌なんだよ。ドブスが!」


……あ、とれない。
くっそー。


「芭蕉…、いい加減にしたらどうだ?」
「ブスがこっち向かないんだからしょうがないだろ!」
「ブスって自覚がないんじゃない?仕方ないでしょ」


……。
泣いてもいいかな?
泣こうかな?

自分のことを言われてると思いたくない。

ブスしかってないじゃん。
この化け物。
それに意味不なやつも加わって…。

2対1とか卑怯っしょ。


「あ、あ゛−−−−−−っ!!」
「?芭蕉?」
「あいつらがいないっ!!」
「逃げちゃったかーぁ…」


あいつらとは小学生をさしているだろう。
首を動かして、さっき小学生がいない場所をみてみたが誰もいなかった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ