短編

□味
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「最近銀ちゃん変ヨ!」

神楽は甘味を食べている銀時に仁王立ちで腕を組ながら銀時を見つめた、見つめたというよりは睨んだ、の方が正しいだろうか。

「変ってなにがだよ」

銀時は手に持っていたアイスを机に置くと神楽を見上げ、スプーンをくわえた。

「銀ちゃんこの前私が銀ちゃんのヨーグルト間違えて砂糖じゃなくて塩いっぱい淹れたアル!なのに銀ちゃん甘いって言ったヨ!」

「なにお前?!銀さんにそんなの食べさせたの?!」

銀時は話をそらすため、神楽に気付かれるのを防ぐため、ふざけた口ちょうで神楽から目をそらした。
神楽も銀時とは年中共に生活をしているため、銀時のその言動が話をそらすためのものだと気付いているようだ。

「銀ちゃん!私に隠し事しないでヨ!私銀ちゃんの力になりたいアル!」



「だから、銀ちゃんの辛いこと、話してヨ!」



「ヅラ達には話して何で私には話してくれないアルカ?!ぎ、銀ちゃん、味分からないアルカ?、、」



「銀ちゃん、無理してたアルカ?」

神楽は銀時に抱いていた疑問がスラスラ出てきて止められなかった

「銀ちゃん、攘夷戦争参加してたアル、天人の私といて辛いアルカ?だから、銀ちゃん味が、、、」

銀時はソファーから立ち上がり神楽を抱きしめた。強く強く、

「銀ちゃん?」

銀時の体は震えていた。そして何より冷たく冷えきっていた。

「嫌じゃねぇ、、、神楽、俺はもとから味覚が解らねぇんだよ、ガキの頃から」

銀時から聞いた話は信じがたいものだった。
あれほど銀時が甘味を美味しそうに食べていたと言うのにその全てが嘘。
銀時は回りに迷惑をかけまいと、嘘を作り出していたのだ。
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