□最高の答えを下さい
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「俺さ、神様って居ると思うんだよね。」
「は?」
銀時は変な奴だった。
初めて面を拝んだ時は銀色の髪が真っ黒な着物のせいでこれ以上ないほど目立っていたし、それになにより、子供という小さい体で刀を抱えていた。
「何を唐突に言い出す、お前は。」
それからヅラのヤローと話しかけてもまともな、こういっちゃなんだが、
人間らしい回答をもらった記憶がない。
…ような気がする。
「だってさ、俺達って平等じゃないじゃない。人間って平等平等ってなんべんも抜かすけど、」
俺には平等だった記憶がこれっぽっちもないワケ。
「…それと、神様が居る居ないがどう繋がるんだ?」
「繋がらないんだ。」
「は?」
それからこんな風に戦争に参加してるのだが、コイツは赤黒い戦場でわざわざアホみてえに目立つ白を着やがる。
そして赤くなって帰ってくるんだ。
「人はみんなで頑張れば平等になれんだよ。
でもそれをしないから不平等なんだ。
迫害なんつーのもあれば口減らしなんておっかねえもんもある。
そんなんの対象になるやつとならない奴の違いはあるのか?根本的な所で違いはあるのか?…なあ、どう思う?お前は。」
赤くなって帰ってきて、悲しそうな顔をしてんだ。目の前で仲間が死ぬのなんかもう、
普通だ。白夜叉ともなりゃそれも尋常じゃない程の死に様を見る事になるんだろう。
それをわかってて白夜叉続けるんだから、
やっぱりコイツは変だ。
「違いねェ…。運の良さ、じゃ、ねーな。」
(そんなんで死んだら虚しすぎる。)
「腕っぷし、か?」
「ちげー。つーか当ってるよ、運で。」
「あ?」
「そう怒んなって。腕っぷしがものを言うんだったら、俺はー生死ねねーだろが。
でもそれは違う。俺だって流れ弾が心臓ぶち抜く事あるさ。まだそんな事ね一けどな。
だったら、その流れ弾で誰を殺るかは、
誰が決めるんだ?
…なあ、どうおもう?お前は。」
「…それが神様って言うんなら、
悪くねぇ。」
「…はは、だろ?」
やっぱりコイツは変だ。
俺にー生懸命言わなくったって、
一生懸命取り繕わなくたって。
俺にとってお前なんて、
手にとるようにわかってしまうのに。

(なあ、どう思いたい?お前は。)
(神様のせいじゃなくても、悪くねえ。お前は。)

fin.
記念すべき第一作目は白夜叉銀さんと高杉のお話でした。

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