縁薫v抜薫
□プレゼント
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※大学二年生の縁と高三の薫です。さらに巴が縁の妹で薫の親友という設定です。縁がおにーちゃんです。それでもオッケーな方は下へどうぞ!
※このお話は10/4に縁薫も読みたいとコメント下さった方に捧げます♪
今日は、親友の雪代巴の兄、縁の誕生日。学校が終わり、近くで一人暮らしている彼の部屋で、巴と二人、パーティーの準備をする。
「薫、ちょっと買い物に行ってくるから」
そう言って出ていこうとする巴を薫は慌てて引き止めた。
「待って、一人で残さないでよ…わたしも行く」
すると、巴が困ったように首を傾げた。
「誰か来るかもしれないわ。お願い、ここにいて」
そう頼まれ、仕方なく巴を見送りソファーに腰掛ける。
(今日、女の人も来るんだろうな…)
何人か大学の友人も来ると聞いている。高校の頃から人気のあった彼だから。
巴は何も言わなかったけど、彼の恋人も来るかもしれない。
――…恋人、どんな人なんだろう。
行儀悪くソファーに寝転び、クッションを抱える。
(ちょっとだけ先輩の匂い、する)
告白なんてしない。ずっと妹の友達。このままの関係でいい。
手の中でプレゼントを弄ぶ。
(でも、さすがに彼女見ちゃうとへこむかな…)
「――…おまえ、なに人んちで寝てるんだ」
「ん…」
いつの間にか眠っていた。目を開けると、ソファーに両手をついて見下ろしてくる部屋の主がいた。その眼差しに射ぬかれ、一瞬息が止まる。
「あ…っ」
薫は真っ赤になって飛び起きる。
「寝ちゃってて…。巴は買い物です。ごめんなさい…」
立ち上がろうとする薫の手を、縁が捕まえる。
「…そんな謝り方で許してもらえると思ってるのか?」
縁が意地悪く笑った。