縁薫v抜薫

□プレゼント
1ページ/3ページ


※大学二年生の縁と高三の薫です。さらに巴が縁の妹で薫の親友という設定です。縁がおにーちゃんです。それでもオッケーな方は下へどうぞ!

※このお話は10/4に縁薫も読みたいとコメント下さった方に捧げます♪




 今日は、親友の雪代巴の兄、縁の誕生日。学校が終わり、近くで一人暮らしている彼の部屋で、巴と二人、パーティーの準備をする。

「薫、ちょっと買い物に行ってくるから」
 そう言って出ていこうとする巴を薫は慌てて引き止めた。
「待って、一人で残さないでよ…わたしも行く」
 すると、巴が困ったように首を傾げた。
「誰か来るかもしれないわ。お願い、ここにいて」
 そう頼まれ、仕方なく巴を見送りソファーに腰掛ける。

(今日、女の人も来るんだろうな…)
 何人か大学の友人も来ると聞いている。高校の頃から人気のあった彼だから。
 巴は何も言わなかったけど、彼の恋人も来るかもしれない。
 ――…恋人、どんな人なんだろう。

 行儀悪くソファーに寝転び、クッションを抱える。
(ちょっとだけ先輩の匂い、する)

 告白なんてしない。ずっと妹の友達。このままの関係でいい。
 手の中でプレゼントを弄ぶ。
(でも、さすがに彼女見ちゃうとへこむかな…)






「――…おまえ、なに人んちで寝てるんだ」
「ん…」
 いつの間にか眠っていた。目を開けると、ソファーに両手をついて見下ろしてくる部屋の主がいた。その眼差しに射ぬかれ、一瞬息が止まる。

「あ…っ」
 薫は真っ赤になって飛び起きる。
「寝ちゃってて…。巴は買い物です。ごめんなさい…」
 立ち上がろうとする薫の手を、縁が捕まえる。
「…そんな謝り方で許してもらえると思ってるのか?」
 縁が意地悪く笑った。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ