お題―恋する動詞

□20.思い出す
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※お話の中で剣路がある言葉を連呼します。三歳児の大好きな言葉ですが、ちょっと下品に感じられる方もおられるかも…。すみません〜!



「わあ、おいしそう!」
「さすが剣心さん」
薫と燕が歓声をあげる。所帯を持って五年たち、いくらかは薫の腕も上達したものの、やはり凝った料理は剣心の得意分野。
「はい、弥彦。今夜は泊まるでしょ?燕ちゃんもたまには飲みましょ」
「おい、あんまり燕に飲ませんなよ」
「はいはい」
からかうように笑うと睨んでくるが、赤い顔で睨まれても怖くない。
「つばめちゃん、だっこして」
「いいよ、おいで」
剣路はちゃっかりお気に入りの燕の膝に陣取る。
「もう、剣路。ごめんね」
「大丈夫ですよ」
「剣路は燕殿が好きでござるな」
「ほんとね」
微笑ましく上機嫌の息子を見るが、一方の弥彦は面白くなさそうな顔。
「ふん」
「…弥彦、あんたまさか剣路に嫉妬やいてるんじゃないでしょうね?」
「―――…っ!やいてねーよ!」
((―――なんてわかりやすい…))
「まあまあ、飲みなさい、ね」
「そうだ、一夜干しがあったな。弥彦、好きだろう」「―――お前ら…!」
機嫌を取られてますます不機嫌になる。
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