長編

□戦場に降りた日(下)
1ページ/4ページ



授業が終わって放課後がやってきた。

「はーっ、やっと授業終わったぜー!」
「アラタはちゃんと頭に入ってるのかしら?」
「も、もちろん!」
「本当に〜?」

ユノちゃんと瀬名君のそんな会話を聞いていると、突然ユノちゃんが思い出したように私を見た。

「そういえば、ナナシを寮まで案内しないといけないよね」
「そういえばそうだなぁ」

そんなことをしていると美都先生が私のところに来た。

「名無ナナシ。これからこの学校の規則について説明するわ。ついて来なさい」
『は、はい』

どうやって寮に行くの!?
アイコンタクトでそれっぽくユノちゃんを見つめると、

「大丈夫、終わったら案内するから!」

と、すてきな笑顔で返された。
規則って、何だろう?
厳しいのかな…

「ナナシ、いよいよ初陣ね!」
「わくわくするな!」
「モニター室で戦いぶりを見ますか!」



***

学校の裏の大きな時計台へ着くと、美都先生がそこで止まる。
こんなところになにが…?
すると時計台の基礎部分が開き、階段が現れた。

『こ、こんなものが…』

美都先生はそこを降りていく。
なんだか怖いけれど、私も彼女についていった。



しばらく歩くと、ガラス張りになった部分を見つけた。
見ると、ガラスの向こうでは何やらものすごいスピードで機械に何かを打ち込む人や、講義のようなものを受けている人たちの姿が伺える。

『あの、先生』
「何かしら」
『あの人たちは、何をやっているんですか?』

「戦争よ」

『え…!?』

私は驚きを隠せないでいた。
そんなこと聞いてない!

「この学校の生徒が果たさねばならない必須事項、義務。それが、ウォータイムへの参加」
『ウォー、タイム…?』

確か、星原ヒカルが言っていた…

「説明するわ。ついて来て」
『…』

なんだか、ただならぬ空気を感じる。
戦争って、どういうこと?
不安を胸に抱き、私は先生についていった。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ