長編
□戦場に降りた日(下)
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授業が終わって放課後がやってきた。
「はーっ、やっと授業終わったぜー!」
「アラタはちゃんと頭に入ってるのかしら?」
「も、もちろん!」
「本当に〜?」
ユノちゃんと瀬名君のそんな会話を聞いていると、突然ユノちゃんが思い出したように私を見た。
「そういえば、ナナシを寮まで案内しないといけないよね」
「そういえばそうだなぁ」
そんなことをしていると美都先生が私のところに来た。
「名無ナナシ。これからこの学校の規則について説明するわ。ついて来なさい」
『は、はい』
どうやって寮に行くの!?
アイコンタクトでそれっぽくユノちゃんを見つめると、
「大丈夫、終わったら案内するから!」
と、すてきな笑顔で返された。
規則って、何だろう?
厳しいのかな…
「ナナシ、いよいよ初陣ね!」
「わくわくするな!」
「モニター室で戦いぶりを見ますか!」
***
学校の裏の大きな時計台へ着くと、美都先生がそこで止まる。
こんなところになにが…?
すると時計台の基礎部分が開き、階段が現れた。
『こ、こんなものが…』
美都先生はそこを降りていく。
なんだか怖いけれど、私も彼女についていった。
しばらく歩くと、ガラス張りになった部分を見つけた。
見ると、ガラスの向こうでは何やらものすごいスピードで機械に何かを打ち込む人や、講義のようなものを受けている人たちの姿が伺える。
『あの、先生』
「何かしら」
『あの人たちは、何をやっているんですか?』
「戦争よ」
『え…!?』
私は驚きを隠せないでいた。
そんなこと聞いてない!
「この学校の生徒が果たさねばならない必須事項、義務。それが、ウォータイムへの参加」
『ウォー、タイム…?』
確か、星原ヒカルが言っていた…
「説明するわ。ついて来て」
『…』
なんだか、ただならぬ空気を感じる。
戦争って、どういうこと?
不安を胸に抱き、私は先生についていった。