その他の作品長編
□闇夜の月
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「よお、命(みこと)」
集団が本家に入った瞬間に、先頭にいた少女にリクオは声をかけた。
「久しぶり」
そう言って、従姉である銀髪の少女は小さく笑う。
「少しは強くなった?リクオ」
「おい…お前…からかってんのか?こう見えてもオレ、一応三代目……」
それも洒落にならないから怖いのである。
昔、それを巡り、問題も起きたこともある。
「…姫様!?どうして急に…?」
「久しぶり、つらら。元気?」
本来なら、命は、姫と呼ばれる立場ではないが、その立ち振舞いや、端麗な顔立ちから、そのほうがぴったりくるという理由から、せなまま呼ばれ続けている。
これは、そんな奴良組の外見とは程遠いじゃじゃ馬姫のお話。