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□ルルーシュ生誕記念
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「誕生日、おめでとう」
今日この言葉を、何度もかけられた。
クラスメイト、生徒会の皆、大切で守ってやるべき妹…

皆が皆、俺に対して何も疑うことなく、俺の誕生日を祝ってくれた。

それは、嬉しくも、同時に罪悪感を感じる。

自分があの“ゼロ”だと知っても皆は同じように、声を掛けてくれただろうか。
俺が生まれたことを喜んでくれただろうか。

なんだか、皆を騙しているような気がして、どうしても、内心気が引けてしまう。


今日、スザクは学校に来なかった。軍の用事、だとかで。

俺はそれが寂しく感じると共に、良かったとも思う。
今寂しいと感じることすら罪悪感を抱くのに、スザクに何も伝えずに、スザクの嫌いな敵の誕生日を祝わせるなんて、正直心が痛い。

スザクは、真実を知ったらどう思うだろうか。
怒るだろうか、憎むだろうか。
悲しんでくれるだろうか…


「…シュ。ルルーシュ?おーい」

そんな声に、意識を呼び戻されて、俺はハッと目を上げる。

そこには、居るはずのない顔があった。

「今日は、軍の用事じゃないのか?」

「早く終わったし、今日はルルーシュの誕生日だから」

「早く終わったって…もう放課後だぞ…」
呆れつつも内心嬉しい自分がいる。

「誕生日おめでと、ルルーシュ」

嬉しさと、心に痛みがある。
だから、聞かずにはいられなかった。

「もし、俺が変わってしまっても、お前な俺の誕生日を祝ってくれるのか?」

スザクがきょとんとした表情を一瞬うかべる。

そして。

「勿論。ルルーシュは変わってしまった僕も祝ってくれたでしょ」

そう言って天真爛漫な笑顔をうかべる。


馬鹿だな、スザク。
だから、気づけないんだ。
俺の正体にも、気持ちにも…
でも、そんなお前だからこそ、
俺は好きなのかもしれないな。

そう考えて、いつの間にか俺は、
スザクの笑みにつられて、笑っていた。


「ありがとう、スザク」

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