テニプリ長編小説
□そして今日も風はふく
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プロローグ
自分視点
いつもの放課後。
そんな風に見えるけれど、昨年度とは大きな違いがある。
貴方が中等部にいない。
その事実は例え隣の高等部に貴方がいることがわかっていても、なんだか寂しく感じてしまう。
後、少しで高等部も授業が終わり、すぐに会えるというのに…
なんだか、こう考えると、昨年よりも自分が寂しがり屋になってしまったようでなんだかむずかゆい。
私はバイオリンを構え直した。
ただ、待っているより、楽器を演奏している方が時間が早く過ぎるし、きっと楽しいだろうから。
そこまで考えてしまった自分自身を軽く笑い、私は演奏を始める。
貴方に初めて出会った頃に想いをはせながら。