最遊記〜桜ノ子〜
□あの日
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〜悟空視点〜
あの日から歌は時々聴こえる。
夜とか朝とか夜中にも。
眠りを妨げられる時もあるが俺は悪い気はしない。
聴き惚れてしまって、
そんな気持ちさえ吹き飛んでしまうのだ。
そんなあの子のことを俺は気になって仕様がない。
三蔵にあの子のこと話してみたけど
あんまり三蔵は気にしてないみたいだ(気にしないようにしているようにも見える)
あの子の声は変わらずとても綺麗だ、
だけど何か足りない。
あの子の声は相も変わらず哀しそうなのだ。
俺はあの子の歌は大好きだが、それと同時に苦手でもあった。
そんな哀しそうに歌う意味がよくわからなくて、
どうしようもなく泣きたく
なってしまうから。
また声が聴こえたらあの子に会いに行こう。
そして友達になったらその哀しみは消えてくれるかもしれないから。