kaleidoscope-万華鏡-
□03
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それから暫くが経ち、バーには男が沢山やってきた。多分、吠舞羅のメンバーだろう。男達は俺を見て睨んできた。
『出雲さん、むさ苦しくなってきました。視線が痛いです。』
「しゃーないわ。あいつらにとって神崎は見知らぬ人なんやで。」
『……まぁ、そうっスけど……で、キングっていう人はいつ来るんすか?マジで帰りたい。』
「なんでそない帰りたがるんや?」
『…この視線が嫌なんすよ。』
苦笑いでそう言ったが本当は出来ればその人にはあまり会いたくない。嫌な予感がするから。
その後、出雲さんと多々良から話はなくなり他の奴等は美咲と騒ぎだした。猿比古は美咲と最初は一緒にいたが、今は猿比古はバーカウンターの端の席にいた。猿比古を見たら、一瞬目が合ったがすぐに反らされた。
俺は猿比古が座っている席に行った。
『……何?』
「………別に」
『ふーん、あっそ…』
沈黙…
俺はずっと居るのも迷惑だと思うからもとの椅子に戻ろうとしたら猿比古に声をかけられた。
「あのさ…」
『ん?』
「なんで……こんなむさ苦しい所にいんだよ?」
『あぁー……仕方ねぇんだよ。前に多々良が俺の仲間に会わせてあげるって無理矢理連れられてこうなったんだよ。』
「……くだらねぇ」
『勝手に言っとけ。』
俺は溜め息を吐き、もとの席についた。
「……誰?」
声が下の方から声が聞こえた。
下を見ると赤い服と言うかゴスロリを着た幼女が上目使いで俺を見ていた。