kaleidoscope-万華鏡-

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どうしてだろうか。

なんで、此処にいるんだろうか?

俺は今、「BAR HOMRA」の前にいる。こんなことになったのは10分位前の話である。


−−−−−−−


俺は公園のベンチに暇だなーと思いながら座っていた。実際、絡まれたくはない。下を向いて端末を弄っていると俺の上に影がかかった。上を向いたら、多々良がいた。

「やぁ」

『……なんでいんだよ。』
「散歩してたら君がいたんだよ。というわけでちょっと、来てほしいな。」

多々良は俺の腕を掴んで引っ張ってきた。

『ちょっ、おい!!どこ行くんだよ、多々良!!』

「はいはい、そんなに怒らない、怒らない。すぐ着くから。」

俺は、舌打ちをして、多々良についていった。

そして、冒頭に戻る。


−−−−−−−


『多々良、俺、未成年なんだけど…。』

「いいの、いいの、なんとかなるから」

多々良は笑顔でそう言う。そう言われると余計に心配になると思い溜め息をついた。多々良は、俺の腕を引いて、ドアを開けた。

「たっだいま〜〜!!!!」

中に入るとバーの中はアンティークが沢山あり、とても綺麗だった。

「おかえり〜……十束、その子誰なん?」

「あっ、この子?俺の友達〜」

バーカウンターにいるサングラスをかけたイケメンはサングラス越しでも分かるくらい目を見開いた。

「と、十束がお友達、連れてきた……やと?」

「草薙さん、酷いよ!まるで俺が友達いないみたいじゃん!!」

「実際、そんな感じやろ」

えーと言って多々良は笑った。

「とりあえず、そこに立っとらんと、適当に座り。」

俺と多々良はバーカウンターの椅子に座った。

「で、君が例の十束を助けた子か?」

例のという言葉が引っ掛かり多々良を見た。

『多々良…なんて話した?』

「いや〜別に〜」

多々良は俺から目をそらした。俺は溜め息をつき、バーテンさんの顔を見た。

『多々良を連れて逃げただけですよ?』

「それでも多々良を助けたんは代わり無いやろ?堪忍な?」

『別に、気にしてないすよ』

「君、名前は?俺は、草薙出雲ちゅうんや」

『…神崎魅影です。』

「ん、神崎な。よろしゅう」

そう言い、出雲さんは手を出した。俺は戸惑い無く手を握り握手した。

「魅影、草薙さんに対しての態度が俺より素直。」

『そんなに態度違うか?』

「ほら!今だってそうじゃんか!!」

多々良が怒りだしたとき、俺は頭を抱え、出雲さんは多々良をなだめた。

「まあまあ、落ち着き。俺より十束の方が仲ええやん。」

「ほんと?」

「ほんま、ほんま」

出雲さんは多々良に頷いた。多々良はバーカウンターに項垂れながら俺を見て、本当?って聞いてきた。

『さあ?』

と頬杖をつき、顔をそらした。出雲さんは苦笑いをしてグラスを拭いた。



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