短編
□拒否権無し
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「おい、坂田」
「え……あっ!はい!!なんでしょうか!?」
隣から話しかけられた。私、何かしましたか?誰かマジで助けてくれ。私の隣は伏見猿比古君というイケメンがいます。人とは余り話さないけど(一部除く)モテモテです。私も余り話さないけど好きな人です。
私がそんなことを思っているとまた声をかけられた。伏見君を見ると、眉間にシワを寄せ、私を睨んでいる。あー、綺麗な顔が…。
「………チッ、話聞いてたか?」
「ごめんなさい。もう一度言ってください。」
「今日、俺の誕生日なんだけど…」
「へー、おめでとう」
パチパチと手を叩き伏見君を祝った。今日は伏見君の誕生日なのか〜。すると、伏見君はまた眉間にシワを寄せた。
「なんでシワを寄せているの?」
「他にないわけ?」
「他って?私、伏見君の誕生日、今日知ったんだけどな。」
伏見君は少し考え、思いついたのか口を開いた。
「………お前とか?」
「は…?」
私は硬直した。え…私?嫌、そんな嘘に決まってるよ。私は伏見君を見たら凄く真剣な顔をしていた。その顔を見て、目をそらした。ヤバい、心臓がバクバクしてる。
「言っとくが坂田に拒否権ねぇから」
伏見君がそう言って教室から出ていった。えっと……これは告白と言うものですか?
私の思考がフリーズした。私は手で口を覆った。
「……拒否もなにも私は…」
私は立ち上がった。よし、伏見君を探そう。