kaleidoscope-万華鏡-
□06
2ページ/2ページ
「追ってきたけどどうするんすか?」
十束、八田、伏見、柱から神崎を見ていた。神崎は端末を弄りながらゆっくり歩いていた。
「うーん、神崎が歩くの遅いから進まないね?」
十束はふてくされた。その時、八田はあっと言った。十束はどうしたの?と聞いた。
「いや、魅影が鎌本と話してるんすよ。」
十束と伏見は八田の見ている方を見た。
「神崎さん、あの時は本当にありがとうございました。」
鎌本は神崎の前で頭を下げた。神崎は鎌本の行動に焦っていた。
『あの……力夫さん?気にしなくてもいいっすよ。あの時は仕方なかったっすから』
「それでもありがとうございました。」
鎌本は土下座しそうな勢いで頭をさげた。神崎はマジでこんなところでやらないでください。鎌本は顔をあげた。神崎はじゃあ俺は行くんでまた。と言い歩きだした。多々良達は神崎が居なくなったのを見て鎌本に後ろから話かけた。
「鎌本〜。」
「おわっ!!!……て十束さん達じゃないっすか。なんで此処にいるんすか?」
「魅影を尾行してるんだ。…で、あの時って何?」
「あー…聞いてたんすね。」
鎌本は苦笑いをした。
「以前、俺、凄い腹が減っていたことがあるんすよ。何か食べに行こうと思ったんすけど金がなくて、そしたら偶然神崎さんに会ったんすよ。腹が減って死にそう。って言ったら神崎さんの家でご飯をいただいたんすよ。」
「………それならBARで作ってもらえばよかったじゃん。」
「その前に会ったんだよ。」
「……チっ」
「鎌本………魅影の家に連れてってくれないかな?」
多々良は手を合わせてお願いと鎌本に言った。鎌本はうーんと悩んだ。
「十束さん!!魅影を追いかけるんじゃないんすか!!?」
「飽きた。」
八田と伏見は眉間にシワを寄せた。二人はなんで付き合わせられたんだ。と同じことを思った。
「……だって魅影ずっと端末弄っていてつまんないんだよ。だから、ね?」
伏見は十束を睨みため息を吐いた。鎌本もため息を吐いた。
「分かったッス。そのかわり怒られてくださいよ?」
「りょーかーい。」
鎌本達は神崎の家を目指し歩きだした。