○ハンター試験編○
□過去の道のり
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シオン「とりあえず、し、死にかけた私を霊界のお偉いさんが気に入って、霊力の使い方をある師範に教えてもらって、戦いとかに協力してるんだよ!」
キルア「なんとなくだけど理解できた」
シオン「私も教えるとなると最初から話さないといけないもん。要約する方も大変だよ…………」
クラピカ「……シオン、確かに青白い光と飛影の追尾能力の理由は分かった。しかし、お前の緋の眼についてはまだ解決していないだろう?」
シオン「あ、そうだね!」
そう言うとシオンは少し考えるようなそぶりを見せて、話を始めた。
シオン「まず初めに言うと、私の母親がクルタ族なの。
昔はルクソ地方に住んでたんだけど、そこに立ち寄った父親と出会って恋に落ちたらしい。一緒に旅を始めたんだって」
ゴン 「ってことは、シオンの緋の眼はお母さん譲りなんだね」
シオン「うん! 緋の眼ってキレイだよね。私も気に入ってるよ。
…………で、驚くだろうけどさ、父親は妖怪なんだよね」
「「「 えぇー!!! 」」」
予想通り、やっぱり大きな声で叫ぶものだから、シオンと飛影はしっかりと耳を塞いでいた。
しかし、その中で叫ばない人が1人いた。
クラピカだ。
あまりにもぶっ飛んだ話で引かれてしまったのだろうか…………?
シオン「クラピカ……? 私のこと……怖い?」
シオンは眼の前に座っているクラピカを下から見上げて、おびえたような顔をしていた。
クラピカに嫌われたくないよ……。
クラピカ「なにを言ってる。そんなわけないだろう!
むしろ私はお前のことを少しでも知ることが出来てうれしいんだ」
そう言ってクラピカは微笑んでいた。
そんな笑顔を見て心が温まったような気がした。
クラピカの笑顔を見られることがこんなにも嬉しい。
私は……クラピカと出会ってから何か変わり始めてるのかな…………?
レオリオ「ってことはよ!! シオンって妖怪の血も入ってんのか!?」
シオン「あ、うん。そうだね」
シオンはそこまで考えたことなかったが、改めて考えるとそんなんだなぁ≠ニ思っていた。
シオン「前回、魔族大覚醒で妖怪になっちゃたけど、結局、魔界から帰ってきたら妖気もなくなってたし、心臓も動き出してたよね」
飛影 「一時的なものだったんだろう」
レオリオ「へ、へぇ……」
ぎりぎり話について来ているレオリオがそこにあった。
ゴン 「クジラ島でも妖怪に会ったことがないから嬉しいなぁ!!」
ゴンは好奇心に輝いた瞳を見ていると悪い気はしない。
むしろ、もっと知りたいという思いが全身から湧き出ているのがよく分かる。
シオン「でもさ、飛影だって妖怪なんだよ? こう見えても」
飛影 「こう見えてもとはどういう意味だ」
シオンの余計な一言が癇に障ったのか突っ掛かってくる飛影。
「「「「 えぇー!!!」」」」
「「 !!! 」」
今のは油断した。
この事にも悲鳴を上げるのか…………。
シオンと飛影にとっては当たり前のことだったので安心して話していたら、またしても来た叫び声に耳をふさぐことが出来なかった。
シオン「みんな叫び過ぎだよ」
キルア「いや! お前笑ってるけど、オレ達全然笑えねぇー!!」
クラピカ「飛影もだったのか…………」
レオリオ「まぁ! お前らが妖怪だろーとなんだろーと今までと何一つ変わらねぇけどな!」
シオン「わっ、良いこと言ってくれるね! うれしい!! さすが自分たちより年上なだけあるねぇ」
レオリオ「それ、老けてるって言いてぇのか?!」
クラピカはシオンの手元に目をやっていた。
わずかにだが握った拳が震えている。
シオン。
お前はあんなに砕けて言っていたが実際は不安でいっぱいだったのだろう?
自分の秘密を受け入れてくれるのかと…………。
心配することはない。
ここにいる全員それにアイスも、お前と飛影のことは今までと変わらず見ていてくれる。
そんな人間達≠ェ集まってしまったのだからな。
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