○ハンター試験編○
□血濡れの疑惑
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キルア「んじゃ、最後はオレだね」
シオン「あっ、いってらっしゃい。頑張ってね」
シオンは体がだるい所為もあってか、気軽にそう言って手を振った。
頑張って≠ニは言ったものの、キルアは数分でさっさと試合を終わらせてしまった。
誰もが目を見張る光景だった。
今日は驚かされることばかりだぜ…………。
レオリオは頭の片隅でそんなことを考えていた。
キルアが試練官であるジョネスの心臓を抜き取ったのだ。
そして、それを目の前で握りつぶす。
傍には一生動くことのないジョネスの肉体。
少し離れた所にいるレオリオ達は言葉が出せずにいた。
それでもシオンは険しい顔をしながらも「おぉ」と関心のある目を向けていた。
隣の飛影は陽気に口笛を一つ鳴らしていた。
コイツ等おかしいんじゃねぇか?!
キルア、シオン、飛影を見てまたしても引いているトンパは心の中でそう呟いていた。
仕方がない。
バトルマニアの端くれでもある二人とってキルアの技術には、目を見張るものがあったのだから…………。
レオリオ「あいつ、一体何者なんだ……?」
ゴン 「あっ……そっか、みんなは知らないんだね」
そこでようやく口を開いたレオリオにゴンが呑気な口調で答えた。
レオリオ「暗殺一家のエリート!?」
ゴン 「うん」
シオン「へぇ、それでかぁ」
キルア「さ、行こーぜ」
闘技場から帰ってきたキルアは口笛を吹きながらすたすたと歩き出してしまった。
クラピカはシオンに近付くと、彼女の腕を自分の肩にまわし、わき腹に手をそえた。
クラピカ「大丈夫か?」
シオン「うん。ありがとう、クラピカ」
クラピカは難しい顔をしながらも少し微笑んでいた。
レオリオ「ま、まぁ! 何はともあれようやく先に進めるぜ」
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