○ハンター試験編○

□緋の眼
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所変わってゴン達はというと…………。






クラピカ「よし、次は私が行こう!!」




クラピカの番であった。


試練官側も闘技場へ足を運んでいた。




レオリオ「げっ、すげぇ体……と顔」




レオリオの顔が引きつるのは、当然と言えるほどに恐ろしい外見であった。


そうしてその男は不気味な笑みを浮かべながら語り始めた。




マジタニ「オレの名はマジタニ。…………今までに19人殺したが、19って数は切りが悪くてイライラしていたんだ。嬉しいぜ」


レオリオ「今度は連続殺人犯かよ!」


マジタニ「オレは命のやり取りじゃないと興奮できねぇからな。半端な勝負は受けねぇぜ。

血を!! 臓物を!! 苦痛にゆがむ表情を!!」




マジタニは声高らかにそういった。








飛影 「おい」


ゴン 「ん? なに?」


飛影 「この試合、くだらん。つまらん。終わったら起こせ。オレは寝る」




飛影は一方的にゴンにそう伝えると奥に行き、座り込んでしまった。




レオリオ「おいおい、よく寝てられんな飛影! ありゃ、相当やばそうな相手だぜ」


ゴン 「うーん」


キルア「……………………」






どこがやばそうなんだか。


オレから見りゃ、あんなのバレバレなんだけどな。


飛影が寝たくなるのも分かるぜ。




アイツが人を殺すどころか殴る度胸もない。


ホラ吹きだってこと。










そうしてキルアや飛影が予想した通り、クラピカが最強の一発をかましてマジタニをねじ伏せた。


クラピカは、マジタニを鮮やかな緋色に染まった眼で見降ろしていた。




そんな緋の眼を目撃した飛影。


驚いた顔をしていた。




レオリオ「ん? どうしたか?」


飛影 「あいつと…………いや、なんでもない」


ゴン 「?」








しばらくすると、伸びてしまったマジタニに忠告し終えたクラピカが帰ってきた。






レオリオ「大丈夫か、クラピカ」


クラピカ「あぁ、私に怪我はない」


レオリオ「てか、お前に近づいても大丈夫か?」




クラピカは戻ってくると壁際に座り込んでいた。




クラピカ「分かってはいたんだがな。一目見てたいした使い手ではないことくらい。

あのクモのイレズミも理性では偽物だと分かっていたんだが、見た途端に目の前が真っ赤になって。

…………と言うか、実は」


ゴン「ん?」


クラピカ「普通のクモを見かけただけでも、逆上して性格が変わってしまうんだ」


レオリオ「早く言えよ。そーゆーことはよ…………」


クラピカ「…………しかし、それはまだ私の中で怒りが風化していないという意味では、むしろ喜ぶべきかな…………」




ゴン 「クラピカにはクモは見せないようにしようね」


レオリオ「うむ」




クラピカには聞こえないように決意を固めた2人であった。







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