○ハンター試験編○
□緋の眼
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その頃、アイスはというと…………。
アイス「きゃあああ〜!!!」
ハンゾー「うおおおお〜!!!」
走っていた。
ただいま獣と鬼ごっこ£である。
なんて呑気なことを言っていられるわけもなく…………。
アイス「なんで戦いの道≠チて言ってたのに獣に追っかけられてるの〜!」
ハンゾー「んなことオレが知るかぁ〜!!」
時間をさかのぼり、スタート地点。
7人と同時に扉をぬけたと思えば、そこにいたのは丸刈りの男だけだった。
アイス「誰とも一緒じゃなかった…………」
ハンゾー「おい、お前! 一体どんだけ待たしてんだよっ!」
アイス「えっ?」
話しを聞くに、ハンゾーは3次試験が始まってすぐに、扉を見つけることが出来たそうだ。
しかし、この道は2人でなければ通過できないらしく、足止めを食らっていたらしい。
ハンゾー「揃ったことだし、さっさと行こうぜ!!」
アイス「は、はい……」
せっかちな性格なのか、2人そろったことで開いた扉からさっさと出て行ってしまう。
それを必死で追いかけていくアイスであった。
ハンゾー「おいてっちまうぞっ!」
アイス「あっ、ちょっと待ってください〜」
そうして今に至る。
ハンゾー「そういや自己紹介がまだだったな。お前、名前なんて言うんだ?」
アイス「へっ? 今、何か言いました?」
ハンゾー「だから名前だ! 名前!!」
何匹もの獣のうめき声が通路に響きわたり、お互いの声が聞き取りにくい。
アイスは、声がハンゾーに届くように大きい声を出して返していた。
アイス「えっと……アイスです!!!」
ハンゾー「アイスか! よろしくな!! オレはハンゾーだ!!!」
アイス「ハンゾーさんですね!! よろしくお願いします!!!」
必死に走りながらも会話を続ける2人。
次第に走っていくと、真っ直ぐに続いていた通路の途中、左に曲がる通路を見つけた。
ハンゾー「アイス!! そこの角左に曲がるぜ!!」
アイス「はいっ!」
2人は左の通路で飛び込む。
すると、獣たちはこちらには曲がって来ず、走り去ってしまった。
ハンゾー「な、なんとか……撒いたみたいだな。あの獣らが単細胞(バカ)で助かったぜ」
アイス「そ……そうですね…………」
2人して肩で息をしていると…………。
ガコンッ!!
いきなり2人の足元が少しだけ下にさがった。
何かのスイッチのように…………。
すると、目の前から野球ボールくらいの大きさの球体が、大量にこちらに向かって飛んできた。
アイス「きゃあ!!」
ハンゾー「また走るのかよっ!!」
戦いの道≠セというのに、ひたすら走っているアイス達であった。
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