○ハンター試験編○
□5勝
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布を被った人物がこちらに気が付くと、1人の手錠が外され布を取り払った。
試練官「我々は審査委員会に雇われた試練官≠ナある。ここではお前達は我々5人と戦わなければならない。
勝負は一対一で行い、各自1度だけしか戦えない。順番は自由に決めて結構。
お前たちは5勝≠キれば、ここを通過することが出来る!! 逆にお前たちを5勝させなければ我々の勝ちだ」
飛影「6人で5勝か」
クラピカ「つまり1人しか負けられないということか…………」
試練官「ルールは極めて単純明快!! 戦い方は自由! 引き分けはなし!
片方が負けと認めた場合において、残された片方を勝者とする!!
一番手はこのオレ、ベンドットだ! さぁ、そちらも選ばれよ」
ゴン「どうする? 誰が行く?」
ゴン達は一番手に誰を持ってこようか検討しているようだった。
ゴン「じゃあ、オレが行くよ!!」
クラピカ「相手の出方が計れない分、初戦はリスクが大きい。ここは私が……」
トンパ「いや、オレが行こう」
トンパの声により、5人の視線が彼に集中した。
トンパ「ここはオレが毒見役として、相手の出方をうかがおう」
レオリオ「トンパ、お前…………」
トンパ「それにお前さん達は、今市オレを信用しきれていないだろう?
そんな俺に、最後の1勝がかかった場面を任せられるか?」
レオリオ「それは……そうだが…………」
トンパ「じゃあ、決まりだな」
まいったー!!!
「「「「…………」」」」
レオリオ「…………は?」
トンパの声が部屋いっぱいに響いた。
ベンドット「くっくっく……ハハハハハハッ!! 良いだろう。この勝負、オレの勝ちだ!」
その声と同時に、試練官たちの一勝が決まる。
オレ達5人で5勝…………。
これ以上負けることは許されない。
トンパ以外の5人が心の中でそう悟る。
レオリオが帰ってきたトンパに切れて、殴り掛かるような勢いであった。
クラピカ「よせ、レオリオ。我々が揉めていては、奴らの思うツボだ」
キルア「…………あのさ、時間をかけてオレ達を足止めするのも狙いなら、オッちゃんの判断は大正解だな」
キルアが何かに気が付いたのか口を挟んできた。
キルア「あのボウズ頭、おそらく元軍人が傭兵だよ。戦ってたらまず最初に喉をつぶされてまいった≠ウえ言えない状態にされてたね。
後はアイツの好みにもよるけど、死なない程度に拷問されてたよ。残り時間ずっと」
トンパ「は、はははは…………も、もちろんそれも計算済みよ」
レオリオ「顔色ワリーぞ」
キルア「さて、次は誰が行く?」
ゴン 「オレが行くよ!!」
やる気満々のゴンの声。
そしてその場の沈黙。
キルア「……ホントに大丈夫か?」
ゴン 「うん!」
キルア「いい度胸してんな、お前。オレの話を聞いたらビビるぞ、フツー」
ゴン 「だって次の人、そんなに悪そうじゃないしさ」
キルア「まーな」
それでも犯罪者だっつーの
レオリオとクラピカは心底思った。
飛影も無言のまま、会話を聞いて呆れている。
そして、ゴンの相手はろうそくを使った試合を持ちかけるが、あっさりゴンの勝ち。
やっと、こちらが1勝を得たのだった。
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