○ハンター試験編○
□ジャンケン
2ページ/6ページ
我々はレオリオ達と合流した後、みんなしてトラブルに巻き込まれたのもあり、さっさと寝てしまった。
起きてみると、ゴンとキルアも我々と同じように寝ていた。
気が付かない程に熟睡していたのだろう。
飛行船から降りてみるとネテロとアニタが降りてきた。
あの後、一体どうなったのか…………。
アニタ「ネテロ会長が密航のことは特に罪には問わないって…………。
ありがとう、貴方のおかげよ」
そう言ってアニタはゴンに微笑んでいた。
ゴン 「いやぁ〜」
レオリオ「よかったな」
ゴンは真正面から感謝されて少し照れているようだった。
アニタはシオンの方を向くと申し訳なさそうに、
アニタ「ごめんなさい…………。大きな怪我をさせちゃって。大丈夫?」
シオン「ちょっと痛かったけど全然平気だったよ!」
キルア「ホントかよ」
そこへアイスと一緒にいたキルアがアニタに近寄っていく。
キルアが手を広げるとそこにはピアスの片方が乗っかっていた。
キルア「落し物だ」
そう言い切ったか分からない位でアニタがサッ!≠ニ取り上げる。
アニタ「父さんからのプレゼントよ」
キルア「それ、スパイス鉱石の結晶だな」
ゴン 「スパイス鉱石って?」
キルア「生成されたスパイス鉱石には習慣性がある」
クラピカ「一度味わったら病み付きになるとか?」
シオン「依存性が高いんだ。薬物やたばこの類みたいなのかな…………」
レオリオ「スパイスを買うために、すべての資材を投げうった奴もいるそうだぜ」
アニタ「ウソ……ウソよッ! そんなのウソよッ!」
ネテロ「本当のことじゃ」
ネテロが静かにそう呟いた。
キルア「知らなかったのか?」
アニタ「それでも、私には大切なお父さんだったの…………。
私のお父さんは優しい人で、父さんの周りにはいつも笑顔の人がいっぱい…………」
アニタはしゃがみ込んで涙を流していた。
ゴンは1人で佇んでいるキルアの傍にかけていく。
ゴン「アニタさんに言わなかったんだね。キルアが殺してないこと」
キルア「オレの兄弟かお袋だな。どっちにしろゾルディック家の人間の仕事には変わりないよ」
ゴン 「でもそれじゃあ…………」
キルア「良いんだよ。憎まれることには慣れてるから」
シオン「あっ、おーい! キルア〜! ゴン〜!」
シオンがみんなと共にこちらへ駆け寄ってきた。
キルアに緊張が走る。
ゴンがそんな様子を見て、
ゴン 「そんなに心配しなくても大丈夫だって!!」
とキルアの背中を叩いて言っていた。
キルア「…………シオン、ごめん」
シオン「ん? なにが?」
シオンはキルアの言葉を聞いて、キョトンとしていた。
キルア「オレのせいで怪我したようなもんだろ!?」
シオン「だって、私が守りたい≠ニ思ってやったことなんだから、キルアのせいじゃないよ」
飛影 「他にも助ける方法はいくつかあったはずだ。この方法を選んだ貴様が悪い」
シオン「うっ…………」
呆れた顔をしながらシオンに言った飛影。
確かにその通り。
シオンはしかめっ面をしていた。
キルア「なっ…………」
キルアも飛影と同様に、ある意味呆れていた。
というかドン引き状態だ。
クラピカ「良いじゃないか。シオンが気にしていなんだ。気に病む必要はないさ」
キルア「そうか……?」
キルアはまだ納得できないでいたが、これ以上シオンと言い合いをしても終わらないと思ったのか、この話を切り上げた。
.