○ハンター試験編○

□恋……?
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クラピカ「アイス。シオンの容体はどうだ?」




クラピカは治療室の前の通路にある椅子に座り込んでいるアイスに声をかけた。




アイス「今……麻酔を打って……治療中なの……。さっきから看護師さんの出入りが多くて…………」


レオリオ「心配すんなって!! シオンならいつも通り元気になっからよ!」




レオリオが不安げで涙を浮かばせたアイスに確信がついているかのように言った。


飛影とクラピカの言葉を信じようと思ったのだ。











シオンの治療が始まってから、どのくらいたっただろうか…………。


レオリオは意を決したかのように口を開いた。




レオリオ「…………なぁ、クラピカ。ちょっといいか?」


クラピカ「あぁ。アイス、すまないがシオンのことを頼む」


アイス「うん」




そう言うと2人は立ち上がり、デッキへ向かった。






















デッキへ出たレオリオとクラピカ。


あまりの強風でクラピカの金色の髪が顔にかかる。




レオリオ「寝る前にも聞きたかったんだけどよ。シオンのこと、どう思ってるんだ?」




レオリオの問いにクラピカは無言で顔を歪めた。




クラピカ「別に…………特になんとも思わない」


レオリオ「ホントかよ」




レオリオがいつになく真剣な顔をしている。


そんな顔を見ることが出来ずに顔をそらすクラピカ。




レオリオ「人の人生に首を突っ込む気はねぇ。同胞のために復讐をしたいって気持ちはよく分かるしな。けどよっ!

オレはお前に幸せになってもらいてぇんだ!! …………欲をいうとシオンとなっ!」


クラピカ「…………私は同胞のために生きると決めた。私だけが幸せになることは許されない」


レオリオ「なんでだよっ!! クラピカの同胞は生きられなかった人生をお前に託したんだぜ!? 自分たちの分まで人生を楽しんで欲しい≠トよぉ!!」




レオリオは一気にまくし立てると息を切らしながらクラピカの様子をうかがっていた。


俯いたまま何も言わないクラピカ。


レオリオは仕方なくまたしゃべりだした。




レオリオ「オレな、今までお前らのこと見てきたけどよ。シオンって不思議な奴だと思わねぇか?」




さっきまでの会話と内容がずれたのではないかと思い、レオリオの方を向いたクラピカ。




レオリオ「アイツの傍にいる時、すごく良い顔で笑ってんだよ。お前」




そんな言葉に目を見開いているクラピカ。


そんな顔を見てニカッ!≠ニ笑うレオリオ。




レオリオ「…………さてよ、結構な時間経っちまったな。今日はこれくらいにしておくか!

まだまだ試験は長いしよ。オレはシオンとアイスのとこに戻ってるぜ」




そう言ってデッキから出ようとするレオリオ。


その後ろ姿を見つめているクラピカ。


レオリオが見えなくなると視線を外に向けた。












私には同胞の復讐を遂げるという目標がある。


恋愛をするためにここに来たのではない。




レオリオには言えなかったが心を惹かれ始めているのは事実。


私に微笑むときの笑顔を見ると胸が高鳴ってしまう。


無茶をするシオンを最初は仲間として心配していた。


しかし、いつしか仲間として見られなくなってきていることを全身で感じている。




一体どうすれば…………。












あれから30分ほど経った頃だろうか…………。




レオリオがデッキから出ていってからというものの、ずっとシオンのことを考えていた。


溜め息交じりに息を吐く。


まだ寒いせいか息が白く見える。






ビタンッ!!!






そんな中、通路とデッキを繋ぐ扉が勢いよく開いた。


驚きのあまり肩をビクつかせるクラピカ。


そこには……………………。







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