○ハンター試験編○
□ヒソカ
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湿原にはヒソカだけとなった。
周りに不穏な空気が流れている。
シオン達は懸命に走った。
しかし、シオンとしてはヒソカと戦ってみたかったのが本音だ。
また飛影にバカにされるな…………。
バトルマニアだって。
ふと、ヒソカの様子を見ようと思い振り返るとレオリオがヒソカの方に歩いて行くのが見えた。
それを見たシオンは全力で引き返した。
レオリオにヒソカの相手は無理だ!
レオリオを死なせたくない!!
私が行って、死なせずに済むのなら…………。
湿原に残されたヒソカ。
ヒソカ「なるほど♠ 好判断だ♥ ご褒美に10秒待ってやるよ♣」
独り言を言うとヒソカはカウントを始めた。
ヒソカ「いーち、にー、……………………きゅーう、じゅーう♥ さーて……誰と遊ぼうかな……♦」
ヒソカが探しに行こうとした途端、深い霧の中から人影が見えた。
レオリオ「やっぱだめだわ。こちとらやられっぱなしで我慢できる程…………気ィ長くねーんだよぉぉ―!!!!」
レオリオはそう叫ぶとヒソカに向かって殴り掛かっていった。
ヒソカ「ん〜〜良い顔だ♦」
ヒソカは不敵な笑みを浮かべながら瞬時にレオリオの背後を取った。
やべェ
殺されちまう……!!
レオリオが諦めかけていたその時、青白い光が宙を舞った。
シオン「霊丸ー!!」
シオンの声と同時にヒソカの顔に強烈な霊丸が直撃した。
レオリオ「シオン!?」
レオリオはシオンの存在に気が付き声を上げた。
少し経つとクラピカの影も見えてきた。
ヒソカは衝撃でレオリオの傍から3メートルほど離れた位置まで飛ばされている。
ヒソカ「やるね♠ キミ♣ 今の攻撃……おもしろい♥」
そう言ってシオンに近付いていく。
なんでコイツ…………倒れないの!?
いくら霊力を抑えてるって言ったって当たれば伸びるはずなのに…………!!
クラピカ「ヒソカ!! それ以上シオンに近付くな!!!」
クラピカがヒソカの次の行動に気付き、シオンのもとに駆け出していた。
しかし…………。
ヒソカ「これ以上近寄ったら殺しちゃうよ♥」
クラピカ「くっ…………!」
クラピカの足元にトランプが2枚刺さっていた。
このトランプよりも前に進んだら確実にヒソカの手にあるトランプが飛んでくるだろう。
ヒソカはおもしろい遊び道具をもらった子供のように喜びを感じていた。
シオンはヒソカの狂気によって動くことができない。
ヒソカ「僕が怖いかい?」
シオン「そんなわけないでしょ!!!」
ヒソカ「強がりはよした方がいい♣ 君の本能は僕を恐れている♥
敵の本当の強さが分かるのも強さのうちだよ♦ 君は強い♣ まだまだ強くなるはずだ♥」
ヒソカはニッコリと笑いながらシオンに近付いてくる。
レオリオ「てめェの相手はオレだ!!」
レオリオはヒソカの不意を狙い、殴り掛かっていく。
だが、それもヒソカの一撃で返り討ちにあってしまった。
シオン「!!!」
レオリオに意識が向いているヒソカの不意を突き、シオンは殴り掛かっていく。
しかし、それもヒソカが両手でガードした結果、少し動く程度に終わってしまった。
シオンはすぐに後ろに退いて右足でヒソカに足払いをくらわした。
ヒソカは足払いによって体が傾くが、左手を地面に突き態勢を整える。
まるでチョウが舞っているかのようだ……。
ヒソカ「う〜〜ん♥ いい動きだねキミ♦」
シオン「くっ…………」
その後も果敢に殴り掛かっていくもいく度となく避けられてしまう。
チッ!
シオンの拳がヒソカの頬をかすった。
ヒソカの顔に一筋の赤い線ができる。
シオン「! 外した!!」
シオンはぎりぎりでかすめた自分の拳に意識が行っていってヒソカに気が付かなかった。
ヒソカはシオンの隙を見逃さない。
シオン「うわっ!」
ヒソカはシオンの首を掴み、地面に叩きつけた。
ヒソカ「いいねぇ〜♦ まだまだ青いけど♥ 今食べちゃうのは勿体無いね♣」
ヒソカはうれしそうに眉をひそめてシオンの首を絞めていく。
シオンの視界に霧がかかっていった。
クラピカ「シオン!!!」
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