○ハンター試験編○
□出会い3
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シオンは飛影と後ろに下がって来ると、金髪の少年を見つけた。
シオン「ねぇ、さっきキルア達といた人だよね?」
クラピカ「あぁ、そうだが」
シオン「男……であってる?」
クラピカ「…………あぁ」
クラピカは苦い顔をして答えた。
シオン「やっぱり! 私の親友にパッと見たら女に見える奴がいるんだ」
飛影は心中で思っていた。
まぎれもなく蔵馬の事だろ…………。
本人の前で言っていたら確実にニッコリ微笑みながら、ここら一帯を血祭り状態にしていたな。
そんなことを考えつつシオンがいきなり失礼なこと言ってごめんね≠ニ少し頭を下げているのを目の端に捉えていた。
クラピカ「いや…………紹介が遅れたな。私はクラピカだ」
シオン「私はシオン! よろしく!!」
クラピカ「よろしくな」
そう言ってお互いは手を出し合って握手を交わした。
シオンはクラピカと握手している時、全身が熱くなるのを感じた。
な、なんだろう……この感覚……。
シオンは頭に?≠浮かべながらも、ジッとクラピカを見つめていた。
クラピカ「? どうかしたのか?」
シオン「あっ! いいやなんでもない……うわっ!」
隣にいた飛影がいきなり刀で足払いを仕掛けてきた。
シオンは、かわしはしたものの、前のめりになりながら倒れそうになる。
クラピカ「人に向かっていきなり何をする!!」
シオン「あっ、待って! あれは私の友人なんだ。
飛影!! なにするんだよ」
飛影 「五月蝿い。シオン、貴様がよそ見をしているからだろ」
シオン「はぁ!? だからって刀でやる必要ないだろ!」
飛影 「この程度の不意打ちで足がなくなるなら、その程度の奴だったというだけのことだ」
シオン「〜〜〜〜もういいよ!! キルアの所に行ってくる!」
レオリオ「うおっ!! なんだぁ?!」
レオリオがクラピカたちの所に下がった途端シオンがキレて、前にいるゴン達の所に行ってしまった。
飛影は何もない時に不意打ちなんて仕掛けてこない。
飛影は好奇心に駆られたのだ。
シオン自身が近づいていない恋心。
親友であるシオンが、他の者とは違う感情を持ったことで起こる彼女の変化に。
戦いに溺れていた俺がこんなくだらんことに興味をもったなんてどうかしているな…………。
蔵馬にからかわれている自分が脳裏に浮かんだ。
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