○ハンター試験編○

□試験会場
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ザバン市






キリコ「ツバシ町の2−5−10は……と」




魔獣であるキリコは人間に化けた状態でザバン市を歩いていた。


小さなメモ書きを見ながら言った。




キリコ「どうやら向こうの建物だな」


レオリオ「あれが会場か」


ゴン 「うわー」








ゴン達の目の前には大きな建物がそびえ立っていた。








アイス「大きい〜!!」


レオリオ「ここに世界各地から」


クラピカ「ハンター志望の猛者が集まるわけだな」






親父もこんな気持ちだったのかな……






ゴンも口には出さずとも、アイス達と同じように感動に浸っていた。






キリコ「おい、そっちじゃないよ。こっちだよ」




キリコは別の方向を見て指さした。














クラピカ「…………」


アイス「…………」


レオリオ「どう見てもただの定食屋だぜ」




大きい建物の隣にひっそりと佇んでいる定食屋。


まさにこれが会場。




レオリオ「冗談きついぜ! ナビさんよ! まさか、この中に全国から無数のハンター志望者が集まってくるなんて言うんじゃねーだろな!?」


キリコ「そのまさかさ。ここなら誰もハンター試験の会場だとは思わないだろ」




キリコは定食屋の扉を開けて中へと入った。










おじちゃん「いらしぇーい!!」


クラピカ「…………」




クラピカは信じ難い様子で周りを眺めていた。




おじちゃん「ご注文は?」


キリコ「ステーキ定食」


おじちゃん「焼き方は?」




キリコ「弱火でじっくり」




おじちゃん「あいよー、奥の部屋が空いてるよ」








奥にある扉を開けると真ん中に肉が焼かれている状態の机があった。




「「「…………」」」


アイス「いい匂い……」




ゴン達3人が唖然としている中、アイスだけ肉に目がいっていた。




キリコ「お前たち新人にしちゃ上出来だ。

…………それじゃあ頑張りな、ルーキーさん達。お前等なら来年も案内してやるぜ」




そう言い残してキリコは去って行った。






ガコンッ!!




レオリオ「うおっ!! なんだ、今の揺れ!」


クラピカ「この部屋がエレベーターになっているのだろう」




アイスとゴンは先に席に座って肉を食べていた。


クラピカとレオリオも続けて席に座る。




レオリオ「失礼な奴だぜ! まるでオレ達が、今年は受からねぇーみたいじゃねーか」




クラピカ「3年に一人」


レオリオ「ん?」


クラピカ「ルーキーが合格する確率だそうだ」




クラピカは話を続ける。




クラピカ「新人の中には、過酷なため途中で精神をやられてしまう奴。

ほかの受験者よって、2度とテストを受けられない体にされてしまった奴などざららしい」




アイスとレオリオは少し険しい顔つきでクラピカの話を聞いている。




だが、ゴンはケロッとした顔で


「何でみんなはそんな大変な目にあってまで、ハンターになりたいのかぁ」


なんて言ってきた。




レオリオ「お前、本当に何も知らねーでここに来たのか!?」


ゴン 「う……」






レオリオ「ハンターはこの世で最も儲かる仕事≠ネんだぜ!!」
クラピカ「ハンターはこの世で最も気高い仕事≠ネのだよ!!」




2人はそれぞれ堂々とこう言い張った。


2人はお互いの顔を見て言い合いを始めた。




レオリオ「ええかっこしィめ!!」


クラピカ「金の亡者が!」


レオリオ「いいか! よく聞けゴン!!!」




レオリオとクラピカの言い合いはゴンをも巻き込み始めた。




レオリオ「公式なハンターだけがもらえるライセンスカード!! これがあれば、ほとんどの国はフリーパス!! 大概の公共施設はタダで使えるんだぜ! それによぉ〜……」


クラピカ「人と自然の秩序を守るのがハンターの本当の仕事だ。一流のハンターは貴重な文化遺産や希少な動植物を発見した場合、その保護を第一に考える!! 他にも〜……」




2人は語り続けていたが、ゴンには最後の方はほとんど耳に入ってこなかった。


アイスは、ハンターがどういうものなのかを理解しているため、黙って聞いていたが、ゴンがとても可哀そうに思えてきていた。




レオリオ「どうだ! ゴン!!」


クラピカ「ゴンはどっちのハンターを目指すんだ!!」


ゴン 「どっちって言われてもなぁ〜」








チーンッ!


この音とともにエレベーターが止まった。









クラピカ「着いたらしいな……」


レオリオ「話の続きは後だ!!」




「「ほっ!」」




アイスとゴンは胸をなでおろしていた。


エレベーターから降りてみると、そこにはたくさんの受験者であふれていた。







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