○ハンター試験編○

□出会い2
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船長 「知っての通りハンター資格を取りたい奴らは星の数ほどいる。

そいつら全部を審査できる程、試験官に人的余裕も時間もねぇ。

そこで、オレ達みたいなのが雇われてハンター志望者を振るいにかけるのさ」




アイス達4人は黙って聞き続けている。




船長 「お前らが試験に受けられるかどうかは、オレ様の気分次第ってことだ。細心の注意を払ってオレの質問に答えな」


レオリオ「…………」


クラピカ「……私はクルタ族の生き残りだ」




クラピカが重い口を開いた。




クラピカ「4年前、私の同胞を皆殺しにした盗賊グループ、幻影旅団を捕まえるためハンターを志望している」


船長 「賞金首狩り(ブラックリストハンター)希望か。幻影旅団はA級首だぜ。

熟練のハンターでも迂闊に手を出せないねぇ。無駄死にすることになるぜ」




クラピカ「死は全く怖くない。一番恐れるのは、この怒りがやがて風化してしまわないかということだ」


船長 「…………」


レオリオ「要は、仇討ちか。わざわざハンターにならなくたって出来るじゃねーか」


クラピカ「この世で最も愚かな質問の1つだなレオリオ。

ハンターでなければ入れない場所、聞けない情報、出来ない行動というものが、君の脳みそに入りきらない程あるのだよ」


レオリオ「ぐ……」




クラピカはレオリオを畳み掛けるように言い放った。




船長 「んで、お前は? レオリオ」




船長は次にレオリオに問いかけた。




レオリオ「オレか? あんたの顔色をうかがって答えるなんてまっぴらだから正直に言うぜ」




レオリオは大きく息を吐き、思いっきり息を吸って言った。




レオリオ「金さ!! 金さえありゃ何でも手に入るからな! でかい家!! いい車!! うまい酒!!」


クラピカ「品性は金で買えないよ。レオリオ」








レオリオ「3度目だぜ。表へ出なクラピカ。薄汚ねぇクルタ族とかの血を絶やしてやるぜ」




クラピカは怒りを露わにして言った。




クラピカ「取り消せレオリオ」


レオリオ「レオリオさん≠セ。来な!」


クラピカ「望むところだ」




そう言うと2人は甲板に向かった。




船長 「お前ら、まだ俺の話が終わってねーぞ! オレの試験を受けねー気か! コラ!」


ゴン 「放っておこうよ」


船長 「な……」




ゴンは語りだした。




ゴン 「その人を知りたければその人が何に対して怒りを感じるかを知れ<Iレの好きな言葉なんだ。

オレには2人が怒っている理由は、とても大切なことだと思えるんだ。止めない方がいいよ」





船長 「う……む」




バタン!!!




突然あわてて人が入ってきた。




船員 「予想以上に風が巻いています!!」


船長 「!!」




アイスとゴンと船長は急いで甲板に向かった。


海の波は、船の甲板にまで乗り上げている。


船員たちは船が傾かないように必死になって作業をしていた。


そんな中で揉めている2人をアイスは見つけた。




クラピカ「今すぐ訂正すれば許してやるぞ。レオリオ」


レオリオ「てめぇの方が先だ、クラピカ。オレから譲る気は全くねぇ」






何もこんな荒れている中、やらなくても……。


アイスは心の中で強く思った。






船長 「こりゃ、やべぇな!! 海に落ちたら浮かんでこれねぇぞ」


ゴン 「船長、おれも何か手伝う!!」


アイス「私も!!」


船長 「よし来い!」


ゴン 「アイス! 一緒に行こう! 気を付けて!」




ゴンがニッコリ笑って声をかけた。




アイス「うん!」




アイスも答えるようにゴンにニッコリと笑顔を見せた。






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