○ハンター試験編○
□出会い2
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【ドーレ港行きの船】
アイス「きゃっ!!」
嵐の中にいる船が大きく傾いた。
船長 「やれやれ……。残ったのはこの4人だけか」
船長は呆れながらそう呟いた。
船長 「名前を聞こうか」
ゴン 「オレはゴン!」
クラピカ「私の名はクラピカ」
レオリオ「オレはレオリオだ」
アイス「わ、私はアイスです……!」
それぞれ名乗ると船長はいきなりアイス達に問いかけた。
船長 「お前ら、なぜハンターになりたいんだ?」
レオリオ「? おい。えらそーに聞くもんじゃねーぜ。面接官でもあるまいし」
船長 「いいから答えろ」
レオリオ「なんだと?」
ゴン 「オレは親父が魅せられた仕事がどんなものかやってみたくなったんだ」
ゴンと名乗った元気な少年が答えた。
アイス「わ、私は、動物や人の役に立ちたくて……。動物保護のためにハンターになって仕事をしたいと思ったの!」
続けてアイスもそう言った。
レオリオ「おい、待てガキども!! 勝手に答えるんじゃねーぜ。協調性のねーガキどもだな」
ゴン 「良いじゃん、理由を話すくらい」
レオリオ「いーや、ダメだね。オレはイヤなことは決闘してでもやらねぇ」
言い合っている2人をアイスは、オドオドしながら聞いていた。
だが、隣からクラピカと名乗った金髪の少年が声を発した。
クラピカ「私もレオリオに同感だな」
レオリオ「おい」
レオリオがクラピカに突っかかってきた。
レオリオ「お前年いくつだ。人を呼び捨てにしてんじゃねーぞ」
クラピカ「もっともらしいウソをついて嫌な質問を回避するのはたやすい。しかし、偽証は強欲と等しくもっとも恥ずべき行為だと私は考える」
レオリオ「レオリオさんと訂正しろ! 聞けコラ」
クラピカはレオリオの声を無視し続けながら淡々と話をしている。
クラピカ「だからと言って、初対面の人間の前で正直に告白するには、私の志望理由は私の内面に大きく関わり過ぎている。
したがってこの場で質問に答えることはできない」
レオリオ「…………」
クラピカの長ったらしい説明がやっと一区切り付いた頃には、レオリオの声がなくなっていた。
船長が口を開いた。
船長 「ほーお、そうかい。それじゃあお前らも今すぐこの船から降りな」
レオリオ「何だと?」
船長 「まだわからねーのか? すでにハンター資格試験は始まってんだよ」
「「「「 ! 」」」」
4人は一斉に船長の顔を凝視した。
荒れ狂う海の中を漂っている船はギシギシと苦しそうな音を上げる。
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