○ハンター試験編○
□恋……?
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そうしてアニタはネテロの部下によって連れて行かれた。
ネテロ「それじゃ、次はお前さんじゃ」
そう言って、シオンの方へ向いた。
ネテロ「仲間思いの奴じゃのう。まず、治療室に行くとするかの。設備はそろっておる」
シオンは顔を青くして言った。
シオン「いやっ、でも…………私、お腹が減ってるからここに来たんだよねっ!! ご飯を食べてから…………」
シオンは治療がこの傷よりも痛いと考えているのか適当な嘘を並べて拒んだが、
ネテロ「何を言っておる。そんな腹でお腹が空いたもなにもないじゃろうて」
すぐにバレる。
そうしてネテロはシオンを引きずって治療室に連れて行った。
アイスとクラピカとレオリオも後を追おうとする。
しかし、クラピカは足を止めて、平然とした顔でこの場を後にしようとしている飛影に声をかけた。
クラピカ「飛影、お前はシオンが心配ではないのか? 親友であるならば、我々のようにシオンを心配して駆け寄ったりはしないのか!?」
レオリオ「確かに、オレは飛影とシオンの仲が親友と言えるとは思えねぇな」
レオリオも加わり、その場の空気が異様なものになった。
飛影 「…………あの程度の怪我で死ぬのなら、それまでの奴だったというだけだ。
オレはそんな奴を親友などと認めるつまりはない」
飛影は一言そう言うとその場を後にした。
レオリオ「なんだよアイツ! ひでェ言いようじゃねーか!!」
クラピカ「…………!! そういうことか」
レオリオは飛影の言葉に眉間にしわを寄せていたが、
クラピカはあることに気が付いたかのように声を発した。
クラピカ「根底ではつながっている。つまり深く信頼しているということなのだ。
シオンはあの程度で死ぬ奴ではない≠ニ…………。
うまく言葉では言い表せないが、互いが互いを気に入っているからこそ、あのように言えたのだろう」
レオリオ「マジか…………」
そんな会話を聞いていたキルアとゴン。
キルアはどういう心情か分からない顔をして、別の所へ歩き出した。
ゴンはその後を追う。
クラピカ「我々はシオンとアイスの所に行こう。アイスもショックが大きかっただろう。励ましに行かねば」
クラピカは踵を返して、治療室に向かった。
レオリオもシオンと飛影の仲についてまだ考え込んでいたが、シオンとアイスが気掛かりだったので治療室に足を運んだ。
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