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キズとアイ
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「はい 愛美、あーんして下さい♪」

『Σアレン;皆見てて恥ずかしいんだけど…///』












《キズとアイ》













私はまさかこんなことになるなんて思ってもなかった

それは昨日に遡る。



『アレン!そっちは頼んだわ!!』


「了解です 愛美!気を付けて下さいね!」

『大丈夫!さぁ、行きましょう!!!』


今日の任務はイノセンスはないが、レベル1と2のアクマが数体出現しているので始末してくるという いたって簡単なものだった。


『ハァ…あと一体ね!私が行くわ!』


そう言い私はイノセンスを発動させ、アクマに突っ込んでいった。

しかし私が攻撃したアクマとは別にもう一体、後ろに潜んでいた事に気が付かなかった。


「愛美 後ろ!!!」
『え…っ?』


そうアレンに叫ばれて振り向いた時にはもう遅く


――ザシュっ!!




気が付けば右肩には大きな切り傷。

団服、皮膚共々大きく裂けてしまっているようで そこからは多量の血が溢れ出す。

そして次に襲ってきた鋭い痛みに堪えきれず この後私は意識を手放した。










『ん…ここは…?』

「愛美!起きましたか!?医務室ですよ。具合いはどうですか?」

『うん?全然平…きっ煤I?痛っ』


痛む場所に目をやると そこは、すでに包帯で処置されていた。


『あたし…』

「愛美 無理しないで下さい」

『うん。ごめんねアレン。あの後どうなったの?』


あたしが意識を無くした後もアレンはあたしを守りながら戦ってくれたみたいだ。

見るとアレンの手や顔のいたるところにキズが生々しく残っていた。


『ごめんなさい…アレン』

「いいんですよ愛美のためなら」

『ありがとう』


そう言うとアレンはあたしを抱き締めた。


『っ///!?』

「でも僕は結局、君をキズつけてしまった。僕が覆うべき代償はこんなんじゃ軽すぎます…」


自分が傷付いても尚、私をアレンは守ろうとしてくれている。それだけでもう十分だ。

そんな彼が愛しくて私は彼の唇にキスを落とす


「! っ愛美///!?」


するとアレンの顔がみるみるうちに紅潮していった。




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