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□泥棒つかまえました
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『アレーン、』



ひたすら探しても姿の見つからない彼は明日から任務だというのに何処をほっつき歩いてるのやら。

ぽつりと呟きながら私はひたすら廊下を歩き彼を探す。急に長期の任務なんか入れてんじゃねーよ巻き毛が。



『もー!どこいってんのさ!』



前の日くらい彼女と一緒に居たいとかおもわねーのかよ。こんちくしょーめ。こんなの一緒に過ごしたいと思ってあちこち捜し回ってる私が馬鹿みたいじゃん。

そう。私がゴーレム越しにコムイから知らせを聞いて部屋を飛び出してから早30分は経とうとしている。アレンの部屋も食堂も彼の行きそうな場所は全部回ったつもりなのに会わないなんて…なんで?



「どした?こんなところで」

『…なんだラビか』

「明らか機嫌悪いな」



ぐだぐだ考えいると赤毛の兎にはちあわせた。赤って興奮する色って言うけど本当みたい。



『あー…いらいらするー…』

「何?俺何もしてないのにいきなりそれ?」



そんなのただのとばっちりさー。とへらへら笑ってくる彼にまたイラ。



「そーいえばさ、アレン会わんかった?」

『!? な、なんで!』

「ぐえ!首、首絞まってるって!」



あ、つい力が。思わずラビの襟元を掴んでたなんてうそうそ。



「嘘じゃないさ!死ぬかと…」

『あーごめん。で、アレンは?』

「お前全然反省してないだろ」



彼はそう言ってため息を吐きながら首もとを正した。あ、ちょっと伸びちゃってる。ごめんねラビ。



「アイツ、お前のこと捜してたさ。会ったら部屋に居るって言ってくれって…おい!」



ラビが最後まで言い終わらないうちに私は自分の部屋目指して走っていた。そうだ。一ヶ所だけまだ見てないとこあるじゃん。

急いで自室まで戻りバシンとドアを開ければさも当たり前のように私のベッドに座っているソイツを発見。



『アレン!』

「あ、お帰りなさい。どこほっつき歩いてたんですか。捜しましたよ」



それはこっちの台詞だっつの。喉まで出かかってたけど取り敢えず彼を見つけられたのでよしとします。



『明日からしばらく会えなくなるから淋しい…です』

「僕だって君に会えないなんて淋しすぎます」



お互いそんな甘えた甘い言葉を吐きながら抱き合う。あー、このひととき幸せ。

キスを交わしてまた抱き合う。こんな時間がしばし経った時だった。



『ん?何これ』



アレンのポケットに何か入ってる。実はさっきからチラチラしてて気になってたり。私はそれを取り出してみた。



「あ、それは…」

『!? なっ…!』



私の手に握られているのはレースのついたブラジャー。しかし私が驚いたのはそんなことではなくて…




『何で私の隠し持ってんのよ!!!』





















03.


(えへへ、)
(えへへじゃない変態め)
(長期任務中淋しくならないように)
(置いていきなさい)



 

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