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□WHITE DAY 企画
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『美味しい?』

「…不味いさ」

『でしょうね』



わなわなと震えながら可愛くラッピングされた箱を片手に、はたまたハート型の茶色い固体をもう片方の手にもってそう言ったラビを愛美はクスクスと笑った。



『ハッピーバレンタイン』

「"ハッピーバレンタイン"じゃないさ!何なんだよこれ」



ラビが不満そうに此方に差し出してきた茶色い固体。しかし愛美はさも当たり前のように言ってのけた。



『本命チョコレートよ?』

「そんな事聞いてないさ!何で出来てるかを答えろ!」

『あら、わかんないの?』



ラビの反応を楽しむように愛美は笑いを耐えながらもしらっと問い掛ける。



「まぁ妥当に考えてチョコレートではないさね」

『だってソレ、ハート型にくりぬいたカレー粉だもん』

「!!?」



その瞬間真っ青な顔をしたラビを見て遂に吹き出した愛美の姿を通りすがりのリナリーとアレンが見たとか。



*****



『そんなこともあったわね』

「流石にあれは悲惨だったさ」

『後でちゃんとあげたじゃない、チョコレート』

「ん。それはうまかった」



そんなたった一ヵ月前のでき事を思い出しながら迎えた3月14日。前回苦い思い出もあったものの 恋人達の大事なイベントだ。



「で、前回苦しめられたのでやり返したいと思います」

『うそっ!ちょっと!』



冗談ぽくニヤニヤしながら渡された小さな箱。目で"開けてみろ"と訴えられているのは気のせいではないと思う。愛美は意を決して リボンを解いた。

しゅるりと解けた赤いリボンの次に恐る恐る四角い蓋を開ける。まさかとはおもうが中から何か出てくるのではないだろうか。



『!』

「どうさ!参ったか」



開けた瞬間言葉を失った愛美を見てしてやったりとそう言ったラビ。中から出てきたのは小さなチョコレートが二つ。



『予想外…だわ』

「なにがさ」

『何か飛び出して来るのかと思った』

「バーカ」



惚けたまま箱の中身を見つめる愛美にラビはクスクスと悪戯な笑みをもらす。



「"食べられないチョコレート"って事で仕返しさ」

『…仕返しになってないわよ』

「まぁまぁ。付けてみろよ」



箱の中身を差してそう言ったラビに頷いて愛美はハート型の小さなソレを取り出して耳に着けた。



「ん。流石俺のカノジョな。よく似合ってら」

『もうっ!』

「愛美、ありがとうは?」

『…ありがと。好きよ、らび』

「よくできました」



そう笑うとラビは愛美を抱き締めて唇を合わせた。



















(勿論俺も好きさ)
(ひゃあ!首吸わないで!)
(仕返し第二弾始めまーす)
(きゃぁああああ!)




‡happy whiteday☆


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