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□WHITE DAY 企画
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アレンに呼び出されて部屋まで来たのに 当の本人は不在で私は困りきっていた。部屋に入ろうにも鍵が掛かっているらしく扉はびくともしない。



『なんなのよ…』



呆れた。彼女を締め出しするなんていい度胸だわ。そろそろ合鍵をもらっておくべきだったと反省しながら愛美は戸を背にずるずるとその場にしゃがみ込んだ。

春先とはいえど廊下のど真ん中。風通しが良いため何だか寒かった。膝を抱えながら彼のことを待つ自分が何だか健気に思えた。



『…もうっ、』



そう溜め息混じりに呟くと 向こうからコツコツと足音が聞こえてきた。音のするほうに顔を向ければ待ちに待った彼の姿が。



『アレン!』



待たされた事に対してちょっとだけ不機嫌さを交えてそう呼べば彼はきょとんとした顔で私の顔を見る。



「愛美?何してんですか こんな所で」

『は?』



愛美は目を点にして彼を見る。何でって その質問は無いでしょ。



『部屋に来てって言ったのはアレンでしょ?』

「…あ、」



ポン、と手を叩いて何かを思い出したように此方を見た彼に少し怒りそうになった。要するに呼び出したことを忘れてたってワケね。



「す、すみません」

『いいよもう。帰るから』



慌てて謝る彼を背に 拗ねた愛美は立ち上がってツカツカと歩きだす。アレンは慌てて愛美の細い腕を掴んだ。振り返れば彼は驚いたような表情で此方を見る。



「こんなに冷たくなるまで待っててくれたんですか」

『まぁね。…少しは悪かったと思えた?』



口をへの字に曲げながらそう言ってやるとアレンはつかんだ腕を引っ張って自分の胸のなかに収めた。



「すみません、愛美」

『…寒かったんだから』

「うん。ごめんね」



謝りながらきゅうっと抱き締めてくれるその腕に身を委ねながら 彼の胸に頬をすり寄せた。すると愛美を抱き締めるアレンの腕の力も少し強くなった。

愛美は埋めていた顔を上げて視線を絡めながら彼を抱き締め返す。



『許してあげるわ。その代わり…』

「?」























(喜んで。)
(でも、次は無いと思ってね)
(…はい)



‡happy whiteday☆


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