Treasure N
□神月あゆむ様より2
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皇子(あるじ)は微笑み祝福を
俺は、お前に、いてほしい、んだ。
だから、だから、ずっと、一緒に……
皇子(あるじ)は微笑み祝福を
枢木スザクを表す形容詞と言えば……
「………」
「………」
「………あの、」
「………」
「殿下?どうなさったんですか?」
穴があくほど見つめて、それでも疑問の解決にはならなくて。
なんていうんだろうか、こいつって……
「……なぁ、」
「はい……?」
「お前って、天然だよなぁ」
「………はい?」
「アホだし。どこか抜けてるし、言葉足らずだし」
「え、っと…」
「挙げ句の果てには、ナナリーに諭されてるし」
だから困る。どうしたらいいのか、どうするべきなのか。本当はここにいることを望んでいないのではないのか。いつもにこにこ笑って、こちらの欲しい言葉をくれて、だけど……
「お前こそ、俺をどう思っているんだ?」
「え………」
いや、情けないことこの上ないなんて、十分にわかっているんだ。
「ルルーシュ……」
「……」
「……馬鹿、ですね」
まさかピンクのお姫さまにそんなことを言われるなんて。だが、しかし言い返せないのも事実だから…
「わ、るかった……な!」
そんな憎まれ口をたたくことしか出来なかった。
「スザクがあんな性格なのをわかってて言ってしまったんですか?」
「………」
「ルルーシュもスザクも、二人とも鈍いんですから」
「……?スザクだけだろ?」
「………はぁ」
肩を竦めたユフィに俺は首を傾げるより他、できることはなかった。
俺は好きなのに。こんなにも、お前が。口には出さなくても、繋がっていると。そう、思っていたのに…
「お兄様も、スザクさんも」
ナナリーが肩を竦めてみせた。……あぁ、この相談グセどうにかしなきゃなぁ……
「自分達が人間であることを忘れていますね」
「え?」
「妖怪でも、怪物でもなく、人間、なのでしょう?」
ふんわり、とナナリーは笑う。……全く、なんて可愛いんだなんて思ったのは口には出せないが。
「言わなければ、伝わりません」
どうしても妹である、と思えない瞬間だった。
「お兄様は、どうしたいんですか?」