Treasure N

□華夜乃様より
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「ねールル」
「なに…」

「胸揉んでいい?」
「………………は?」

「だから、胸も…あ、聞かなくても勝手にすればいっか☆いっつもそうだし。うりゃっ」
「ほわああぁぁぁ!!!!」



駄目だコイツ…

空気読めないんじゃない。


空気読む気ない…!!



「ちょっ…スザ、子…」
「なに?」

「な、にコレ…なんでこ、な事に…っ」
「うーんと、愛撫ってやつ?」



……質問と回答の間に埋められない誤差がある気がする…っ!


多分これ会話が噛み合ってない!!




「そうじゃなく…て!なんでこんな事、するんだっていう話…」
「え、好きだから」

「…………変態?」
「いや胸揉んで喜んでる訳じゃないから」

「じゃあ何なんッ…ひぁっ!!」
「だってルル胸小さいの気にしてるんでしょ?好きな人が悩んでる事だもん、僕だって出来る限りの手伝いがしたい」


だからって


「っそんな、の…っあ」
「ルルの喘ぎ声って可愛いよね」


もう少し


「ッ…!!」
「声抑えないでよ。胸揉まれて気持ち良くても恥ずかしい事じゃないから。…僕、ルルの声もっと聞きたい」
「やっ…!!」




もう少し他のやり方とかあるだろー―…!!








「変態…」
「違います〜」

「じゃあオヤジだ…」
「健全な花の女子高生になんて事言うのっ」

「ケンゼン…」
「?…どうしたのルル」


元気ないねって私の腰に抱き付いて上目遣いに見上げてくる。


「…胸…あれで本当に大きくなるのか…」
「え!?ついに兆しが!?」

そんなに輝いた目で私を見るな。
正直に言おう、疑ってるんだ。

「あんな事で成長するとか信じられない」
「大丈夫っ!これだけ有名な噂なんだし。ルルもちゃんと反応もしてたし。僕これから先がすっごく楽しみ!」
「………」


何故だろう、大好きなはずのコイツの笑顔が今は非常に憎い。


思い出したくもないがあの後も30分ほどスザ子のセクハラは続き、お願いしても辞めてくれないし何か黒い笑顔を浮かべたまま訳の分からない単語を羅列するわで…地獄だった。
よく分からないけど頭の中が真っ白になって途中から涙が出てきて、泣きすぎてノドも軽くかれてしまった。
「疲れた…早く眠りたい…」


(そういえば押し倒される前、確か私はそんな話をしていたのではなかったか?)



「大丈夫だよっ!胸については安心してルル。ぜーんぶスザ子に任せて〜♪」
「苦しい…」


思い切り私の話を無視して全力で抱き締めてくる…スザ子に任せたら近々私は死ぬのではないか…。

あと胸当たってる。
わざとか。


「…あーっもう良い!!スザ子、寝るぞ」
「はぁーいっ」



重たい体をふかふかの布団にしずめるとすぐに瞼が落ちる。


「ルル、おやすみ」
「ン…」

唇に柔らかい感覚がするのはいつもの事。

スザ子がこんなの普通のスキンシップだと言い張るので好きにさせている(スザ子以外とはしないけど)

「おやすみなさいっ」


ああ…私はお前の抱き枕じゃない…暑い、胸当たってるって……文句言いたいけど…眠い。


「…おやすみ…」


(もう、何でもいいや…―)







『もう少ししたら一緒に服買いに行こうねVv』

『は?下着じゃないのか?』

その意味を私が知るのはもう少し先の話。


END
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