Treasure N
□華夜乃様より
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「ルル、話があるの。ちゃんと真面目に聞いてね」
「うん…分かった」
珍しく真剣な顔のスザ子。
…しかし言ってはなんだが私の部屋で人を押し倒した状態で真剣な顔、だ。
どんな状況だこれは。
のっけから何をしようというのか…バカがっ。
悪いが全然様にならない。
(やっぱりスザ子は真面目にするタイミングを間違ってる。全体的に)
真っ向勝負☆乙女的純愛計画
「あのさ、ルル…ルルは僕の事好き、だよね?」
「?ああ」
「じゃあ愛してるよね?」
「まぁそうなるな」
「だよね!そうだよね!!」
「ああ…多分そうなんじゃないか?なんだ急に」
「えっとね、なら世界で一番僕が愛しいよね!?っていう話」
「……はあぁ!?」
どうやってそんな結論に至ったのか
否
まず何故こんな質問をされるのか、誰か私に教えてくれないだろうか…―。
「僕ね、ずっと疑問だったんだ」
「何がだ。…というより今の私の状況が一番疑問だ」
え、なんで?と目を真ん丸にして可愛く首をかしげて私を見下ろしてるスザ子。
(うっ…可愛い…)
色々言いたい事はあるのに反論出来ない…
っでも可愛いからっていつまでも許すと思うなよ!
「いつか克服する!」
「え、何の決意表明?」
スザ子は少し考えてルルってキス苦手だっけ?と眉間にシワを寄せている。
…その疑問は何処から出てきたんだ。
私がスザ子の思考回路を理解するのは一生かかっても不可能かもしれない、今悟った。
「で、疑問ってなに」
話を先に進めようとスザ子に問うと一瞬首をかしげていた。
おいおい。
…本当にコイツが疑問を抱く事なんてあるんだろうか……そこまで言うと流石に失礼か。
「ああ、そうだ」
思い出したのか手をポンッと叩く。
「そうそう。ルルと僕ってさ、付き合ってもうすぐ1ヶ月たつのに何もないよね」
は い ?
「…1ヶ月?」
「うん」
「…何がって?」
「僕らが付き合い始めて」
身 に 覚 え が な い 。
「…はぁあ!?私達いつの間に付き合ってる事になってたんだ!?」
「ええぇぇさっきルル僕の事好きって言ったじゃん!冒頭の真面目な僕返してよ!!」
「そんなの知るか!」
「やだー冷たくしないでよーっ!さっきはあんなに目を潤めながら好きって言ってくれたくせにぃ〜っ」
「嘘つくな」
「嘘じゃないよ!顔赤く染めて恥じらいがちにそう言った!」
「そうか…それは現実3割妄想7割ってところだ」
「うーんっ、なんとなく冷静な分析だね」
ルルは押しに弱いと思ってただのと何かブツブツ言ってるスザ子を見ながらため息をついた。
スザ子のやる事なす事全部にいちいち真面目に反応するのがばからしくなってきた…。