Treasure N

□神月あゆむ様より
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「あぁ、たぶん…大丈夫だよ。シャーリーに任せたから、最後は」
「……シャーリーで、大丈夫なのか?」
「リヴァルよりは」
「………全く、何だってお前のとこには変わった奴ばっかりいるんだ!」
「恋人も変わってるからねぇ」
「はぁ?」


ふふ、とスザクは笑うだけ。

俺の何が変わってるって言うんだ…?


「君個人っていうより、君と僕が変わっているんだよ」
「……?」


ルルーシュの疑問を感じとったのか、スザクが先に答える。
けれど、それはさらに謎を深めるだけで……

ルルーシュの頭にある疑問符にスザクはただ、笑った。








湖の見えるガラス張りの大きくもなく小さくもない家…


「ほら、シャーリーでよかっただろう?」
「……確かに、」


車からおり、その地に降り立った瞬間にルルーシュは言葉を失った。

あぁ、あの時のままだ…


「そんなに老朽しているところもなかったし、ガラスを張り替えたり、小さなところだけだったから」
「……」
「ルルーシュ…?」


黙り込んだルルーシュをスザクは覗き込む。


「スザク、」
「なぁに?」
「……ぁりが、と…」
「…ルルーシュ」
「ありがとう、スザク」


綺麗にはにかむルルーシュをスザクはゆっくりと抱き寄せた。


「……スザク?」
「君が変わっているんじゃなくて、この出会いが変わっているんだ…こんな素敵な出会い、君とじゃなかったらできなかった」


少し照れ臭そうにスザクは続ける。


「だから、僕のほうこそ…ありがとう。ルルーシュ、君に出会えてよかったよ」


涙がでないわけがなく…
ルルーシュの震える背をスザクはいつまでも抱き締めていた。
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